研究課題/領域番号 |
15380217
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (50150115)
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研究分担者 |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20244668)
塚本 康浩 (塚本 康弘) 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (90305657)
熊谷 大二郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (70316016)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 腎線維化 / マクロファージ / 筋線維芽細胞 / 線維原性因子 / シスプラチン / デキサメサゾン / 肝線維化 / ラットモデル / LPS / エナラプリル / タウリン / 浸潤マクロファージ / 固着マクロファージ / 樹状細胞 / 免疫組織化学 / 病理発生 |
研究概要 |
本研究の目的は、腎線維化部位に出現するマクロファージ群の機能的特性を明らかにし、難治疾患である腎線維化の進行を軽減する方策を追求することである。 本年度においては、腎線維化の進行を軽減する方策を検討するために、シスプラチン誘発ラット慢性腎線維化モデルを用いて、抗炎症剤であるデキサメサゾンを投与する実験を行った。その結果、デキサメサゾン投与により、ED1陽性の浸潤マクロファージの出現が抑制され線維化が軽減された。しかし、ED2陽性固着マクロファージとOX6陽性抗原提示マクロファージの出現には影響が見られなかった。また、ラットの腎間質細胞株(NRK-49F)と未分化間葉系細胞株(MT-9)を用いて、筋線維芽細胞の誘導因子であるTGF-β1(線維原性因子)とデキサメサゾンを同時添加するin vitro実験を行ったところ、TGF-β1により増強される筋線維芽細胞の形質発現がデキサメサゾン投与で明らかに抑制された。デキサメサゾンは、腎線維化において、浸潤マクロファージの出現数の減少と筋線維芽細胞形成を抑制させることで、腎線維化の進行を抑えることが示された。また、シスプラチン誘発のラット急性腎線維化モデルに小豆の抽出物を与えたところ、ED1陽性浸潤マクロファージの反応が劇的に抑制され、線維化も軽減されることが示された。小豆には腎線維化の進行を抑制する物質が含まれていることが栄養科学的に示唆された。 腎線維化と同様の機序により成り立つとされる肝線維化の軽減効果について、チオアセトアミド誘発ラット肝線維化モデルを用いて、クッパー細胞の機能を抑制するガドリニウムクロライドを投与する実験を行った。その結果、種々のマクロファー・ジ群の出現が抑制され、特に門脈野周囲の線維化が軽減することが分かった。この肝線維化のデータは腎線維化の病理発生におけるマクロファージ群の機能的役割を考察する上で参考になる。 本研究の遂行により、腎線維化に出現するマクロファージ群の機能の一端とその有用な軽減法の開発の可能性を実験レベルで明らかにすることができた。
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