配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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研究概要 |
効率的かつ周辺環境への影響が小さいファイトレメディエーション技術を確立するための基礎的知見を得ることを目的に,1.生分解性キレート剤を利用したファイトレメディエーション,2.超集積植物の探索と金属集積メカニズムの解明,3.作物によるヒ素吸収抑制を目的とした根圏環境制御法の検討を行なった.主要な結果は以下の通りである. 1.生分解性キレート剤EDDSの銅汚染土壌への施用で,植物の銅吸収量は顕著に増加した.EDDSの施用が土壌微生物群集の基質資化性へ及ぼす影響や金属錯体の系外への流亡の可能性は,EDTAの場合よりも小さいと考えられた.しかし,可溶化された重金属類が流亡する可能性は否定できず,汚染土壌からの重金属類の流亡が生じないような処置を施した上で生分解性キレート剤を利用する必要があると考えられた. 2.兵庫県生野鉱山跡地で土壌・植生調査を行なった結果,スズシロソウがZn,Cdの超集積植物であること,ヘビノネコザはCu,Cd,Pbに加えてAsも集積しうることを見出した.スズシロソウの葉に存在するZn,Cdは,それぞれ80%,55%以上が可溶性であり,リンゴ酸が無毒化に関与している可能性が示された.また,Cd処理を行なった根では,フィトケラチン等のSH化合物含量が増大し,Cdの無毒化に関与していると推察された.今後,これらの植物根圏での金属動態及び可溶化メカニズムの解明を続ける必要がある. 3.菌根菌資材の施用がヒマワリによるAs吸収と毒性発現に及ぼす影響について検討した結果,化学肥料でPを供給した場合と比較して,As過剰症状,As吸収量が軽減されることが示された.一方,非晶質鉄酸化物を土壌施用し,ヒ素(V)汚染水を灌漑して水稲栽培を行なった結果,非晶質鉄酸化物の施用は,根圏・根面においてAsを不動化させ,As吸収を抑制する上で有効であることが明らかとなった.
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