配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
(1)過酸化水素(H_2O_2)プローブ 提案したワーキング仮説に基づき,様々なbenzenesulfonyl fluorescein類についてプローブ特性を評価検討したところ,pentafluorobenzenesulfonyl 2',7'-difluorofluorescein(1)が高特異的なH_2O_2プローブとして機能することを見出した。また,1のacetyl化体を用いることにより,淡水性緑藻Chlamydomonas reinharadtiiやヒトJurkat T細胞の細胞内において発生するH_2O_2を可視化計測することができた。更に,これらのプローブの開発過程において保護/脱保護化学に基づく新規かつ一般性のあるプローブ設計戦略を立案することができた。 (2)スーパーオキサイド(O_2^<-・>)プローブ 立案した設計戦略に基づき,新規O_2^<-・>蛍光プローブとしてbis(2,4-dinltrobenzenesulfonyl)2',4',5',7'-tetrafluorofluorescein(2)を開発することができた。更に,2の欠点を克服し,より実用的なO_2^<-・>プローブとして3'-(4,5-dimethoxy-2-nitrobenzenesulfonyl)2',4',5',7'-tetrafluoro-fluorescein(3)の開発に成功し,このもののacetoxy methyl(AM)化体が,ヒトJurkat T細胞内で発生するO_2^<-・>のフローサイトメトリーならびに蛍光顕微鏡を用いる可視化計測に利用できることを明らかにした。 (3)チオールプローブ 立案した設計戦略に基づき,新規チオール蛍光プローブとして2,4-dinitrobenzenesulfonyl2',7'-dimethylfiuorescein(4)の開発に成功した。既存のチオール蛍光プローブに比べて水溶性の高い4を用いることによりアセチルコリンエステラーゼ特異的阻害剤のスクリーニング法として活用できる高感度蛍光コリンエステラーゼアッセイを構築できた。 (4)セレノールプローブ pH5.8において4が,チオールには全く応答せず,セレノールに対して高特異的に蛍光応答を与えること,つまり,世界最初のセレノールプローブとして機能することを見出した。4はセレノシスチンからジチオトレイトール(チオール系還元剤,DTT)との反応によりin situで発生するセレノシステインをDTTの妨害を受けることなく高感度計測できるだけでなく,セレノプロテインの解析にも利用できた。
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