研究課題/領域番号 |
15390014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中山 守雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60164373)
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研究分担者 |
原武 衛 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40325668)
小野 正博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80336180)
松田 尚樹 長崎大学, 先導科学研究支援センター, 教授 (00304973)
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
佐治 英郎 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40115853)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | アミロイドβ蛋白 / 分子イメージング / アルツハイマー病 / PET / SPECT / フラボン / アミロイド / 画像診断薬剤 / テクネチウム-99m / フラボン誘導体 / 痴呆 / 神経変性疾患 / 放射性薬剤 / 画像化 / 老人斑アミロイド / インビボ画像化 / 放射性医薬品 / 放射性金属核種 |
研究概要 |
アミロイドβ蛋白(Aβ)の沈着による老人斑の形成は、アルツハイマー病(AD)の発症過程における最も早期の脳病変であることから、老人斑アミロイドのin vivoイメージングは、ADの早期診断、さらには病状進行の判定、薬剤の治療効果の判定を可能にすると考えられる。そのためには、脳内の老人斑アミロイドに強く選択的に結合し、体外から画像情報を鋭敏に入手できる分子プローブの開発が不可欠である。これまで開発された分子プローブの大部分は、アミロイド蛍光染色試薬チオフラビンT及びコンゴーレッドの化学構造をもとに設計・合成されている。我々は、ベンゾフラン誘導体及びスチルベン誘導体に種々の置換機を導入し、Aβ凝集体に高い親和性を示すPET及びSPECT用分子イメージングプローブを開発したが、まだ、解決すべき問題も多く、より有効で汎用性の高い老人斑アミロイドイメージングプローブを得るためには、新たな基本骨格の開拓が重要であるという結論に達した。 そこで、広く植物界に分布するフラボノイド化合物の一種であるフラボンの基本骨格に着目し、新たに設計・合成したフラボン誘導体について、Aβ凝集体及びAD患者脳切片を用いたインビトロ結合実験により、老人斑アミロイドへの結合親和性を検討した。さらに正常マウスにおける体内放射能分布実験により、脳移行性及びクリアランスを評価した。その結果、いずれの誘導体もAβ凝集体への高い結合親和性を示し、AD患者脳切片においても、老人斑アミロイド及び血管性アミロイドへの特異的結合性を有していることが明らかになった。また、これらのフラボン誘導体は投与早期に脳へ移行した後、脳からの速やかな消失が観察され、既報のプローブ化合物に比べ、アミロイドイメージングプローブとして優れた性質を示すことを見出した。これらのフラボン誘導体は、チオフラビンT及びコンゴーレッドとは異なる基本骨格を有するフラボノイド化合物であることから、今後、老人斑アミロイドイメージングを進める上で重要な情報を与えるばかりでなく、ADの早期診断が可能な新規分子プローブの創製につながることも期待できる。
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