研究課題/領域番号 |
15390021
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
榎本 武美 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2004年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2003年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
|
キーワード | ワーナー症候群 / 早老症 / WRN / WRNIP1 / RecQファミリーヘリケース / DNA polymerase δ / 相同組換え / 複製後修復 |
研究概要 |
本研究では、RecQファミリーヘリケースや、我々が発見したワーナー症候群の原因遺伝子産物(WRN)と結合するWRNIP1(Werner helicase interacting protein 1)を中心にして、これらの酵素・タンパク質が関与する過程を解析することによりDNA複製と傷害回避の共役の分子メカニズムを明らかにし、その破綻による癌化、老化の分子機構の解明を目指した。 酵母を用いた解析で、Wrnip1がDNA polymeraseδ(Polδ)、PCNA、RFCと機能的関連をもち、Polδとは直接結合する可能性があることを明らかにした。また、PolδのサブユニットPol31をコードする遺伝子に様々な点突然変異を導入し、非常に多数の変異株を分離し、解析を行った。その結果、増殖に温度感受性を示す変異株では、WRNIP1遺伝子やSGS1遺伝子(WRNの酵母ホモローグ)を欠損させると増殖の欠損が増大し、Polδの機能に欠陥がある場合に、Wrnip1やSgs1(WRN)が重要な役割を果たすことが明らかになった。 ヒトWRNIP1、Polδ、PCNA、RFCを用いた生化学的解析では、WRNIP1がPolδに結合すること、PolδのDNA合成活性を促進し、その促進はDNA合成の開始頻度の上昇によることが明らかになった。また、WRN、WRNIP1が関与する修復経路を解析するためにDT40細胞を用いて種々の遺伝子破壊細胞を作製して解析を行った結果、WRNとWRNIP1は、異なる修復経路で機能することが判明した。さらに、WRNは、Xrcc3ではなく、Rad52が関与する組換え経路で機能することや、非相同末端結合修復に関与するKu70とも機能的関連をもつことが明らかになった。
|