配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
我々は基質遷移状態概念に基づいて,アスパラギン酸プロテアーゼに属するHIVプロテアーゼ阻害剤のデザインと合成を行い,理想的な遷移状態ミミックとして独創的なヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアを見いだし,さらに低分子化にも成功した.これらの低分子HIVプロテアーゼ阻害剤は,次世代抗HIV薬として期待されている.HIVプロテアーゼ阻害剤は画期的な成果を挙げたが,大量投与が必要であること,また副作用および耐性克服など解決すべき問題点が山積みである. そこでプロテアーゼと阻害剤との相互作用解析に基づいて理想的な遷移状態ミミックであるHMCイソステアを含むジペプチド型HIVプロテアーゼ阻害剤をデザインすることにより,組織移行性の高い低用量抗HIV薬の開発をめざした.さらに,ジペプチド型低分子HIVプロテアーゼ阻害剤は,既存薬耐性ウイルスに効力を示しており,変異のパターンも異なっていることから耐性と副作用の問題点克服の可能性があり,変異酵素と阻害剤の分子認識解析に基づいてデザインを行い,また水溶性プロドラッグ化も行った. このようなアスパラギン酸プロテアーゼにおける有用な阻害剤設計の方法論を,マラリア原虫増殖に重要な役割を果たすプラスメプシン類,アルツハイマー病に関与が示唆されているアミロイドβ-ペプチドの生成を調節するβ-セクレターゼ,成人T細胞白血病HTLV-1プロテアーゼに応用し,有用な阻害剤をデザイン・合成した。これらの化合物は難治性疾患の治療薬の開発に有用であると期待されている。
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