研究課題
基盤研究(B)
受精に伴う生命プログラムの初期化を理解する上で、生殖細胞特有の頻回なアポトーシス誘導からの回避機構の解明が必要であると思われる。特に体細胞分裂を繰り返す精粗細胞及び減数分裂を行う精母細胞ではアポトーシス頻度は高く、その誘導にはミトコンドリア関連蛋白であるBaxやチトクロームC (cytC)の細胞内再配置の関与が強く示唆されている。本研究では、正常及びエストロゲン様内分泌攪乱物質投与による障害マウス精巣を用いてBax及び関連蛋白の細胞内動態を検討し、アポトーシス誘導とミトコンドリアとの機能的及び地理的関係を明らかにすることを目的とした。特に本研究過程で、精巣への電気穿孔法による遺伝子導入法の確立と成熟生殖細胞の初代培養条件の検討も行った。その結果、アポトーシス細胞ではBax及びcytCの分布変化が確認されたが、超微形態学的には細胞内小器官の局在変化は認められなかった。一方、ミトコンドリアの局在を光顕レベルで解析するため、正常精巣にpEYFP-Mitoを電気穿孔法で導入し、蛍光シグナルは共焦点レーザー顕微鏡で検討した。その結果、遺伝子導入により蛍光シグナルは、精粗細胞及び精母細胞では数ヶ月の間安定に観察されるが、精子細胞から以降の細胞では全く検出されなかった。更に、アポトーシス細胞ではYEP、Bax及びcytCは細胞質全体に認められたが他のミトコンドリアマーカーであるSP-22の局在とは一致しなかった。また成熟精巣より単離した生殖細胞初代培養系での様々な培養条件の検討を行い、数週間まで維持可能な条件を見い出した。これらの結果は、生殖細胞アポトーシス誘導ではミトコンドリアの局在は変化せず、アポトーシス関連ミトコンドリア由来タンパク質がミトコンドリアに局在出来なくなることを示しており、ミトコンドリア自体の質的変化による特定のタンパク質の排除機構がアポトーシス誘導の引き金となっていることを示唆する。
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