研究課題/領域番号 |
15390061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 英嗣 山形大学, 医学部, 助教授 (30206792)
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研究分担者 |
山本 克之 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10088867)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 酸素 / 心臓 / ミトコンドリア / クレアチンキナーゼ / 低酸素 / 虚血 / バイオイメージング / ATP / 生理学 / 心筋細胞 / クレアチンリン酸 / クレアチンリン酸シャトル / GFP / 蛍光画像 / 分光画像 |
研究概要 |
平成15〜16年度に開発した正立型蛍光顕微鏡システムを用い、単一心筋細胞の酸素濃度、ATP、ミトコンドリア酸素代謝、ミトコンドリア膜電位等の同時的高解像度イメージングを行った。その結果、低濃度の脱共役剤を用いミトコンドリア膜電位にほとんど影響を与えずに酸素消費量(フラックス)を大きく増加させた場合、in vivo心筋組織中の正常酸素濃度(5%)よりわずかに低い3%という酸素濃度でnecroticな細胞死が誘導された。さらに、心筋細胞中のクレアチンキナーゼ(CK)を阻害したところ、この低酸素性細胞死が加速したばかりではなく、正常酸素濃度と考えられる5%酸素下でも細胞死が誘導された。すなわち、正常心筋細胞では、クレアチンリン酸(PCr)-CK系が低酸素性細胞死を遅延させていることがわかった。一方、酸化的リン酸化によるATP産生を阻害しても、酸素フラックスを低値に維持する限り細胞死は見られなかったことから、酸素不足による酸化的ATP産生の低下は、ここで見られた細胞死の主たる原因ではないことが予測された。これまでの研究から、酸素フラックスが上昇している時には、細胞中心部に酸素不足領域が形成されることが分かっている(anoxic core)。今回の実験結果と合わせて考えると、anoxic coreにおいてミトコンドリアの膜電位が消失し、この部位でoligomycin-sensitiveなATP消費が急激に進行し、その結果細胞全体のCa^<2+>overloadならびに細胞死が招来された可能性がある。一方、PCr-CK系は、酸化的リン酸化が活発に行われている細胞表層近傍で産生されたATPを拡散によりanoxic coreに輸送することにより、anoxic coreでのミトコンドリア膜電位の消失ならびにそれに続く細胞死を防いでいるものと思われた。
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