研究課題/領域番号 |
15390078
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中谷 晴昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60113594)
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研究分担者 |
佐藤 俊明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60244159)
小倉 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00292673)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | ATP感受性K^+チャネル / 心臓 / Kir6.1 / 遺伝子改変動物 / 虚血 / 活動電位 / ミトコンドリア / Kir6.2 / 心筋細胞 / 膜ATP感受性K^+チャネル / 虚血再灌流 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
心筋細胞に存在するATP感受性K^+(K_<ATP>)チャネルはKir6.2というポア成分とSUR2Aという付属蛋白から形成されると考えられている。しかしながら、心筋細胞にもKir6.1が存在するが、その生理学的意義は不明である。そこで本研究では心筋にKir6.1を過剰発現させたトランスジェニック(TG)マウスを用い機能的実験を行った。Kir6.1TGマウス摘出心では虚血・再潅流後の梗塞サイズが野生型(WT)マウス摘出心に比し小さく、再灌流後の収縮力の回復も良かった。虚血前の活動電位幅はKir6.1TGマウス心室筋細胞で延長しており、これは一過性外向き電流および遅延整流K^+電流の密度の減少によるものであった。また、低浸透圧液に暴露した時の細胞内容積の増加(膨化)はKir6.2遺伝子欠損(KO)マウスやKir6.1KOマウス心室筋細胞で増強し、Kir6.1TGマウス心室筋細胞では減弱していた。フラビン蛋白の自家蛍光を測定し、ジアゾキシドに対する酸化反応からミトコンドリアK_<ATP>チャネル機能を評価したが、WTおよびKir6.1TGマウス心室筋細胞の間で差が認められなかった。Kir6.2KOマウスとKir6.1TGマウスを交配しKir6.1Tg^+/Kir6.2^<-/->マウスを作成し、その単離心室筋細胞を用いK_<ATP>電流の有無を検討した。この心筋細胞ではピナシジルに反応して活性化するK_<ATP>電流が記録され、Kir6.1が細胞膜に移行し、機能する可能性も示唆された。このように、病的状態においてKir6.1は心筋細胞膜に移行し、虚血時の活動電位幅短縮をより早く引き起こすと共に細胞容積調節に寄与し、心筋保護的に機能する可能性が示唆された。
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