研究課題/領域番号 |
15390093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片岡 徹 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40144472)
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研究分担者 |
佐藤 孝哉 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20251655)
島 扶美 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60335445)
枝松 裕紀 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70335438)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | ホスホリパーゼC / 低分子量G蛋白質 / Ras蛋白質 / イノシトール脂質代謝 / 心室拡張 / 心臓半月弁膜症 / ノックアウトマウス / 線虫 / Rap1蛋白質 / 半月弁逆流 / 半月弁狭窄 |
研究概要 |
1 ホスホリパーゼCε(PLCε)遺伝子ノックアウトマウスを作製し、半月弁(大動脈弁と肺動脈弁)における顕著な逆流と軽度の狭窄による容量付加に起因する心室拡張という表現型を見いだした。この病因である先天性半月弁形成異常の発生機構を解析した。胎児発生過程の組織学的解析により、ノックアウトマウスの半月弁に見られる弁葉の肥厚と形態異常は、半月弁形成後期のリモデリング期における細胞増殖の亢進によると結論した。上皮増殖因子(EGF)受容体の活性低下変異マウスやヘパリン結合性EGFノックアウトマウスの表現型との類似性から、PLCεがEGF受容体下流でRasのエフェクターとして半月弁細胞の増殖抑制に関わると推測した。実際、半月弁細胞の増殖を誘導する骨形成因子受容体下流のシグナル分子Smad1/5/8の燐酸化がノックアウトマウスでは亢進しており、この結果は上記仮説を支持した。 2 DMBAをイニシエータ、ホルボールエステルTPAをプロモータとする二段階皮膚化学発癌系を用い、PLCεがras癌遺伝子依存性の良性腫瘍の発生とその悪性化に重要な役割を持つことを示した。これを多数のPLCεノックアウトマウスを用いて完全に証明すると共に、PLCεの作用機構を解析した。ノックアウトマウスでは、TPA刺激により誘発される皮膚基底層細胞の増殖と上皮の肥厚が野生マウスに比べて著明に抑制されていた。この結果は、PLCεがTPA下流のシグナル伝達に重要な役割を有することを示唆した。 3 モデル生物線虫においてPLCε遺伝子を破壊し、貯精嚢括約筋の収縮異常に起因する不妊の表現型を得た。 4 PLCγ結合部位欠損PDGF受容体を発現したBaF3細胞を用いて、PDGF依存性のPLCε活性化によるカルシウム濃度上昇を蛍光指示薬で測定する系を確立し、PHドメインとRAドメインの重要性を示した。
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