研究課題/領域番号 |
15390103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 愛知学院大学 (2004) 名古屋大学 (2003) |
研究代表者 |
村松 喬 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00030891)
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研究分担者 |
門松 健治 独立行政法人名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80204519)
村松 壽子 独立行政法人名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50182134)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | ミッドカイン / 抗がん剤 / 腎臓毒性 / ノックアウトマウス / 好中球 / 血管内皮 / がん転移 / アンチセンスオリゴDNA / リウマチ / アルツハイマー病 / 新生内膜形成 / 炎症性細胞 / 癒着 / マクロファージ |
研究概要 |
化学療法剤シスプラチンの腎臓毒性発揮に炎症性細胞の移動が重要な役を果たすこと、そしてミッドカインがこの過程に関与することを明らかにした。また虚血性腎傷害においてもミッドカインは同様の役を果たす。そこで、ミッドカインの発現を抑えることにより、炎症性細胞の移動を軽減することを計画した。ミッドカインアンチセンスオリゴDNAを尾静脈から注入すると、オリゴDNAは選択的に尿細管に取り込まれた。そして、ミッドカインの尿細管における発現を低下させた。シスプラチン投与の24時間前にアンチセンスオリゴDNAを投与すると、尿細管への好中球の浸潤が50%程度低下した。センスオリゴDNAにはこの効果はなかった。抗がん剤投与の前処置としてのミッドカインアンチセンスオリゴDNA投与の有効性が示唆されたのである.虚血性腎障害においても同様の結果が得られ、さらに腎機能の低下も軽減できることが分かった。血管内皮に傷害を与えたときの新生内膜の形成もミッドカインアンチセンスオリゴDNAで抑えることができた。 リウマチモデルとしての抗体による関節炎、そして手術後の癒着にもミッドカインが大きく関与することをミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスを用いて証明した。いずれの場合もミッドカインは炎症性細胞の移動を促進し、さらにリウマチモデルでは破骨細胞の分化にも関与した。 ヒトのミッドカインの発現を抑えるアンチセンスオリゴDNA, siRNAを開発した。また、siRNAの安定化、取り込みの向上にアテロコラーゲンが有用なことを見いだし、その効果をVEGFの発現低下による、ヌードマウス移植がんの増殖低下で示した。がん細胞のみならず、宿主の血管内皮のミッドカインもがんの転移に寄与することを、ミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスを用いて示した。
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