研究課題/領域番号 |
15390110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
荒川 博文 国立がんセンター(研究所), 生物物理部, 部長 (70313088)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 癌抑制遺伝子 / p53 / アポトーシス / 癌治療 / 遺伝子治療 / がん抑制遺伝子 / アデノウイルス / がん治療 / ネトリン / 軸索誘導 / 転写因子 / 標的遺伝子 |
研究概要 |
この2年間の研究においては、p53依存性アポトーシスの機序解明を目的に、アポトーシス制御に関与する新規p53標的遺伝子の単離とその機能解析、さらには、マウスに作成した腫瘍移植片に対するアポトーシス関連標的遺伝子の抗腫瘍効果の検討を中心に研究を進めてきた。まず新規のアポトーシス関連標的遺伝子として、STAG1遺伝子とALDH4遺伝子を単離し、その機能解析を行った。その結果、STAG1は活性型p53であるp53-121Fの特異的な標的遺伝子として同定されたが、p53依存性アポトーシスを媒介する新しいアポトーシス誘導分子であることが分かった。また、ALDH4はp53によって転写が活性化されるが、その蛋白質はミトコンドリアへ局在し、プロリン代謝を不可逆的に促進することで、アポトーシスを負に制御する抗アポトーシス分子であることが明らかとなった。一方、従来よりp53依存性アポトーシスの重要な介在分子であることが知られていたp53AIP1遺伝子を、アデノウイルスベクターを用いて、ヌードマウスに作成した腫瘍移植片へ導入したところ、顕著な抗腫瘍効果を認めた。このことはアポトーシス制御に関わるp53標的遺伝子は、新しいがん治療法開発のための標的分子となりうることを示唆している。また、p53RDL1/UNC5Bやnetrin-1などの神経軸索誘導関連分子が、p53依存性アポトーシスを正と負に制御する全く新しいメカニズムを明らかとした。以上の成果は、p53依存性アポトーシスの機序解明に大きく貢献しただけでなく、その知見を応用した新しいがん治療法開発の可能性を切り開くと期待される。
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