研究課題/領域番号 |
15390151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柳 雄介 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40182365)
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研究分担者 |
皆川 洋子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (70209823)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2004年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2003年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 麻疹ウイルス / インターフェロン |
研究概要 |
1.麻疹ウイルスの病原性におけるインターフェロン(IFN)の役割を調べるために、麻疹ウイルス株間(IC-B野外株、Edmonston(Ed)ATCC株、Ed tag株)でIFN-αに対する抵抗性に差があるか検討した。IC-B株はIFN-αの存在の有無にかかわらずほぼ同等の増殖を示したのに対し、Ed ATCC株の増殖はIFN-α存在下で軽度低下し、Ed tag株の増殖は1万分の1以下に低下した。 2.パラミクソウイルス科のウイルスは、P遺伝子領域にコードされているV蛋白やC蛋白によりIFNに抵抗する。麻疹ウイルスのV蛋白にも同様の活性があることが報告されている。IFN抵抗性を検討したところ、IC-B株、Ed ATCC株のV蛋白はIFN-αのシグナル伝達を阻害したが、Ed tag株のV蛋白は阻害しなかった。Ed ATCC株とEd tag株のV蛋白には3アミノ酸の違いがあるが、このうち110番目、272番目のアミノ酸が同時に置換することが抗IFN活性を失うのに必要であった。 3.パラミクソウイルス科の多くのウイルスのV蛋白では、V蛋白に特異的なC末端領域が抗IFN活性に重要である。V蛋白のキメラ分子、truncated分子、部位特異的変異導入分子を作製し、それらの抗IFN活性を調べることにより、麻疹ウイルスではV蛋白のN末端領域(P蛋白とV蛋白の共通領域)だけでも抗IFN活性を示すことが分かった。また、P蛋白も抗IFN活性を示した。これらの結果はニパウイルスと類似している。 4.単独では抗IFN活性を示さないEd tag株のN末端領域に、Ed ATCC株のC末端領域を結合させたキメラ分子が抗IFN活性を示したことから、麻疹ウイルスV蛋白のC末端領域も抗IFN活性に寄与していると考えられた。
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