研究課題/領域番号 |
15390166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
井上 裕二 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (80213180)
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研究分担者 |
石田 博 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (50176195)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / C型肝炎ウイルス / 費用効果分析 / 医療費 / スクリーニング / 効用値 / 慢性肝炎 / 肝硬変症 / 医療費推定 / C型慢性肝炎 / コンピュータシミュレーション |
研究概要 |
本研究により肝細胞癌のスクリーニングについて以下の事が示された。 1.肝細胞癌のスクリーニング効果:肝細胞癌で入院となった患者における外来受診様式と予後を解析し、定期受診群、非定期受診群の癌発見時の腫瘍径の平均はそれぞれ20.5mm、137.3mmと明らかに非定期受診群で腫瘍径が大きなものが多かった。また、Cox比例ハザードの結果から腫瘍径20mm以下の肝細胞癌の発見を目標とした定期的スクリーニングは明らかに予後を改善することが示された。 2.インターフェロン投与下における定期スクリーニングの費用効果:慢性肝炎の自然経過に文献より得られたスクリーニングおよび非スクリーニングによる予後(生存率)を組み入れたマルコフ遷移モデルを作成し、インターフェロンの効果も配慮した費用効果分析を行った。その結果、インターフェロン投与下において非スクリーニング発見後の肝細胞癌の5年生存率を5%〜20%とした場合に、スクリーニング発見後の5年生存率が0.42〜0.53以上であれば許容範囲(5万ドル/QALYs以下)の増分費用効果比となった。スクリーニング検査で発見される肝細胞癌が20mm以下であればインターフェロン投与下にあっても定期的スクリーニング検査は十分に許容範囲になることが示された。 3.肝細胞癌入院患者の医療費推定:肝細胞癌患者の入院医療費の変動を多変量解析によって検討した結果、有意に影響する因子は順に入院日数、手術、抗ガン剤などによる動注塞栓術(TACE)、化学療法および腹水・浮腫、食道静脈瘤であった。肝細胞癌治療および非代償性肝硬変症の合併症治療が入院中の医療費変動に独立した要因として関与し、それぞれの要因の組み合わせにより医療費が推定できることが示された。 4.病期に応じた肝細胞癌治療の費用効果モデル:治療の選択が病期に対応(早期:外科的切除あるいは経皮的局所療法(LAT)、中期:LATと肝動脈化学塞栓術(TACE)の併用、進行期:TACE、高度進行期:動注化学療法)したものとして治療遷移をもとにしたマルコフモデルを作成した。山口大学における患者データをもとに単発小肝細胞癌における外科的切除またはLATの比較を行い、実データとの比較からそのモデルの妥当性が検証された。
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