研究課題/領域番号 |
15390206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 重幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60253994)
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研究分担者 |
高木 覚 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20295348)
東浦 勝浩 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10295347)
浦 信行 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20185078)
島本 和明 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40136940)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | アディポネクチン / インスリン抵抗性 / 地域住民 / 疫学研究 / 性ホルモン / 腎機能 / 危険因子 / Metabolic Syndrome |
研究概要 |
動脈硬化性疾患は高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病を基盤として発症すると考えられ、これらの危険因子が同一個人に複合して存在していることはよく知られている。最近、この状態はインスリン抵抗性を基盤とするメタボリックシンドローム(MS)として整理する試みがなされている。MSの中心病態は内臓脂肪蓄積であり脂肪組織より分泌されるアディポネクチン(Adipo)がMSやインスリン抵抗性形成に主要な役割を担うことが明らかにされている。本研究ではこの点に注目し、地域住民の断面および縦断研究より、動脈硬化進展におけるAdipoの血中レベルとインスリン抵抗性の意義を検討した。まず、軽症危険因子の集積であるMSではAdipoが低下し、これを介するインスリン抵抗性の発生や軽症リスクの集積が動脈性疾患発症に関与する可能性が示された。実際にHOMA-R指数でみたインスリン抵抗性とAdipoの関連を検討すると、インスリン抵抗性とAdipoは強い相関を示した。また高感度CRPや大動脈派伝播速度を指標に動脈硬化進展との関連をみると、AdipoとHOMA-Rは動脈硬化の有意な関連因子として抽出された。そして、インスリン抵抗性と虚血性心疾患の関連を縦断成績から解析すると、インスリン抵抗性はその後8年間の虚血性心疾患発症を規定する因子となった。 一方、Adipoの血中レベルは性・年齢で異なるが、この原因を、性ホルモンと腎機能の変化から検討した。一般住民の測定結果より年齢、性、腎機能など多因子の解析を行うと、高齢でのAdipoレベルの上昇は腎でのクリアランスの低下が主に影響する可能性が示唆され、性ホルモンの影響は少ないと考えられた。さらに若年と高齢でのAdipoの動態を比較し、Adipo作用への加齢の影響を解析した。そしてAdipoレベルがより高い高齢者では危険因子の程度が小さく、高齢でもAdipoの低下が動脈硬化の進展に作用している可能性を示した。 以上の2年間の検討により、Adipoとインスリン抵抗性の動脈硬化性疾患進展への関連を明らかにし報告した。
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