研究課題/領域番号 |
15390274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
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研究分担者 |
和泉 唯信 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10335812)
坂本 崇 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (20343303)
原田 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
野寺 裕之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40363147)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
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キーワード | ジストニア / 磁気刺激 / 伴性劣性ジストニア・パーキンソニズム / 持続性ナトリウムチャネル / PSTH法 / 前運動野 / 補足運動野 / silent period / 皮質-皮質間制御 / SPECT / プライミング |
研究概要 |
ジストニアは反復性・捻転性の異常な筋収縮により特定の姿勢や動作が障害され、斜頸や眼瞼痙攣をふくみその頻度はパーキンソン病の5分の1にも及ぶ決して稀ではない病態である。特に局所性ジストニアの1つである書痙は初期には書字動作のみが障害され、非常に治療が困難なものとされてきた。また、特定の動作が障害されるためヒトでの正常の動作遂行の中枢機序を解析する絶好の機会を与える。 従来、PET検査により書痙患者においては運動前野や補足運動野の脳血流の増大が見られている。我々は書痙患者9名において、大脳皮質の活動を抑制することが知られている低頻度閾値下反復経頭蓋磁気刺激法を用いて運動前野の抑制を試みた。臨床症状はコンピュータによる描円解析装置を用い定量化し、一次運動野の興奮性の指標としてcortical silent periodを計測した。比較のため同様の条件で一次運動野と補足運動野を刺激した。その結果、運動前野の刺激時においてのみ症状の改善とcortical silent periodの正常化が有意にみられ、ジストニアの発症序における運動前野の役割が開らかになり、また非侵襲的な治療法の開発に道をつけた。 ジストニアは基底核疾患と考えられており、運動前野は補足運動野とともに基底核の出力を多く受ける部位として知られている。その興奮性が高まっており、それを下げることにより症状の改善が見られたことは基底核の視床皮質路に対する抑制が欠如していることを示唆する。我々は、伴性劣性ジストニア・パーキンソニズムの剖検脳において病初期に線条体のstriosomeに選択的な病変を発見した。Striosomeはドパミンの放出を調整する神経細胞群であり、その障害によりドパミンの過剰な放出が招来され、基底核の出力部位である淡蒼球内節が過剰に抑制される。従って、運動前野や補足運動野の活動が亢進することが説明できる。
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