研究分担者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
寺内 康夫 横浜市立大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40359609)
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助教授) (40372370)
鈴木 亮 東京大学, 医学部附属病院, 助手
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研究概要 |
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性の機序を明らかにするため、インスリン受容体基質(IRS)-2欠損マウスのインスリン抵抗性の機序を解析したところ、肝臓におけるインスリン抵抗性と中枢でのIRS-2欠損によるレプチン抵抗性による肥満が関与していた(Suzuki et al.,J.Biol.Chem.279,25039,2004)。また、視床下部特異的IRS-2欠損マウスの解析より、中枢でのIRS-2の欠損が肥満・インスリン抵抗性をきたすことが確認された(Kubota et al.,J.Clin.Invest.,114,917,2004)。一方、高脂肪食下のインスリン抵抗性には脂肪細胞でのアディポネクチンの発現や分泌の低下が関与している。アディポネクチンの受容体を発現クローニング法により同定した(Yamauchi et al.,Nature 423,762,2004)ところ、膜7回貫通型でAMPキナーゼ・PPARαなどの脂肪酸燃焼のパスウェイを活性化する作用を有していた。さらに、高脂肪食下・インスリン抵抗性のもとでは、このアディポネクチン受容体はダウンレギュレートされた(Tsuchida et al.,J.Biol.Chem.279,30817,2004)。脂肪細胞の肥大化に伴いインスリン抵抗性が増悪するが、肥大化の過程にはDGAT-2という中性脂肪合成の最終ステップの酵素が関与していることを明らかにした(Suzuki et al.,J Biol Chem.280,3331,2005)。血管障害に関してはIRS-1、IRS-2欠損マウスがともに代謝症候群を呈することと、血管においてはIRS-2が血管保護作用を担っていることを示した(Kubota et al.,Circulation 107,3073,2003)。
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