研究課題/領域番号 |
15390314
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉崎 和幸 大阪大学, 健康体育部, 教授 (90144485)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2003年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | Serum amyloid A (SAA) / Interleukin 6 (IL-6) / Anti-IL-6R antibody / STAT3 / C / EBPβ / NF-κB / Chronic inflammatory disease / AA amyloidosis / NF-κB p65 / IL-6 / Serum amyloid A(SAA) / EMSA / DNA affinity chromatography / ルシフェラーゼプロモーター活性 / RA / 血清アミロイドA / IL-1 / TNF-α / 転写活性 |
研究概要 |
【目的】関節リウマチ(RA)に対してヒト型化抗IL-6受容体抗体(MRA)によるIL-6阻害療法を行ったところ、急性期蛋白(CRP, SAA等)の正常値化が認められた。本研究の目的は、炎症生体におけるサイトカインによる急性期蛋白の発現機序を分子・遺伝子レベルで解析し、真の炎症病態を明らかにする。 【結果と考察】 1.MRAによるRA患者の血清アミロイドA(SAA)値 MRAのI/II相、II相臨床試験(計175名)にて有効患者約80%においてSAAの正常値化(10mg/L)が認められた。 2.肝細胞株を用いたサイトカイン刺激によるSAA1、SAA2mRNAの発現および阻害 サイトカイン単独ではほとんど発現増強はなかったが、IL-6とIL-1またはIL-6とTNF-αで発現に相乗効果がみられた。しかしIL-1とTNF-αでは増強はみられなかった。また、IL-6阻害にてほぼ完全な産生抑制が認められたが、IL-1またはTNF-α阻害では部分的にしか抑制されなかった。 3.STAT3の新たな転写活性とSAA遺伝子発現機序 従来NF-κBとC/EBPβのみSAA2発現に関与が示されていたが、今回STAT3阻害剤AG490を用いた系、STAT3共発現系、EMSA, IP-Western, DNA affinity chromatography等の系にて、SAA発現にSTAT3の強い関与が示され、しかもNF-κB p65およびp300に結合し、そしてNF-κBの3'側結合を示唆し、STAT3の新たな転写機序を示した。 4.SAA以外の急性期蛋白の発現機序の解析 CRPはSAAとは異なる転写制御である。その他の炎症関連遺伝子の発現機序も手がけている。 5.IL-6阻害によるAAアミロイドーシスの治療への展開 IL-6阻害によるSAAの正常値化によりアミロイド沈着の低下がみられ、難治性AAアミロイドーシスの治療薬として期待できる。
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