配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
末梢型小型肺腺癌はCT検診の普及により発見頻度が上昇している。それと共に腫瘍の大きさが必ずしも肺癌細胞の生物特性を反映していないことが明らかとなってきた。CT画像上のGGO含有率によって悪性度が変化する事が判明してきた。CT画像上の特性がどのように生物特性に反映するかを明らかにする目的で、外科的切除を行った腫瘍径3cm以下の原発性肺腺癌症例131例を対象に、胸部CT画像、免疫組織化学(p53,Bcl-2,Ki-67,CD44v6,VEGF, CD34,MMP-2,MMP-9,TIMP-2)、及びK-ras点突然変異を検討した。その結果、腫瘍CT面積遺残率が高い充実型腫瘍は遺残率の低い含気型腫瘍に比較して、Ki-67陽性率、VEGF陽性率、CD34陽性率、MMP-2陽性率、MMP-9陽性率が有意に高く、CD44v6陽性率、TIMP-2陽性率が有意に低かった。また、腫瘍CT面積遺残率の低い含気型腫瘍、Ki-67染色陰性例、TIMP-2染色陽性例、K-ras野生型は、有意に予後良好であった。多変量解析の結果、TIMP-2染色陽性およびKi-67染色陰性は独立した予後因子であった。 DNA異常メチル化が癌抑制遺伝子のプロモーター領域に起こると、その遺伝子の不活化を引き起こし、発癌に至ることはよく知られている。マイクロアレイを利用したPromoter-associated methylated DNA amplification DNA chipを用いて288の癌関連遺伝子のプロモーター領域の異常メチル化を肺癌細胞に対して検索した。およそ11%の遺伝子にメチル化を認めた。メチル化は腺癌では7.8%の遺伝子に、小細胞癌では14%の遺伝子に認めた。特に、HIC1,IRF7,ASC, RIPK3,RASSF1A, FABP3,PRKCDBP, PAX3遺伝子はほとんどの肺癌細胞でメチル化を認めた。
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