配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
1)改良型心尖部温存左室縮小術の臨床的検討. 平成15年4月〜平成18年3月の間に左室の拡大を伴う慢性心不全症例に対し,当院で施行した左室形成術は39例(拡張型心筋症12例、虚血性心筋症27例).緊急手術7例で待機手術は32例で,術後死亡症例は5例,このうち緊急手術症例が2例.左室形成術施行された症例の左室拡張末期径は術後有意に縮小され,収縮率やNYHAは術後有意な改善が見られた.左室心尖部の機能及び形態の重要性の検討から,従来の心尖部を処理するような術式と温存する術式との比較においては,心尖部を温存する術式を使用した症例群では心尖部を処理する術式を施行した症例に比べて,左室拡張末期径は術前後の比較で有意な縮小が得られた.また,収縮率の改善も有意な改善が見られていた.左室の形態を示す評価において,心尖部温存術式はより楕円形を呈し,心尖部処理術式は球形を呈していた.心筋症モデルを使用した肝細胞増殖因子(Hepatic growth factor : HGF)徐放シートの有効性の検討 ラットを使用しミオシン抗体を導入した自己免疫性心筋炎にて拡張型心筋症のモデルを作成した.このモデルに対してHGF徐放シート装着を行ったHGF群と生食シートの徐放を行ったSham群との比較を行った.シート装着後2週間の時点で生理学的・組織学的・生化学的評価を行った.HGF群では有意な左室拡張末期径の低下があり,EF及びFACの評価では有意な改善が見られた.Fibrosis areaを検討するとHGF群において有意に小さいことがわかり,Aldosteron濃度も有意差がみられ,Bax/Bcl-2 ratioの比較においてもHGF群は有意に小さいことが認められた.すなわち,左室の形態を考慮した形成を行った後,HGFシート縫着を行うことは術後の残存心筋の機能を維持改善し,繊維化を抑制することで再拡大を防ぐ手段となりえる.
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