研究分担者 |
巽 英介 国立循環器病センター(研究所), 研究評価室, 室長 (00216996)
増澤 徹 茨城大学, 工学部, 教授 (40199691)
武輪 能明 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室長 (20332405)
本間 章彦 (本問 章彦) 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (20287428)
築谷 朋典 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (00311449)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
本研究は,完全磁気浮上型血液ポンプを体内埋込型の補助人工心臓として早期に実用化することを最終目的として,本装置を数年間にわたって使用できる耐久性にすぐれた補助人工心臓システムとして完成させるために必要な装置の高機能化・生体適合性向上を行うものであった.その中で得られた主な成果は以下のようであった. (1)磁気浮上制御回路の最適化による小型化ならびに信頼性向上 半径方向に磁気力で吸引制御する方式の磁気浮上・回転制御を行う回路を製作し,超小型遠心ポンプの試作を行った.磁気回路の最適化のためのシミュレーションを行い,ステータ内外径,コイル巻数に関する最適値を得ることができた.この結果に基き試作機を製作し,左心補助人工心臓としてのポンプ性能を有することを確認した. (2)体内埋込のための省電力化を目指した試みとして,半径方向の流体力がつりあう位置を制御目標に設定するゼロパワー磁気浮上方式を導入し,入力エネルギーを最小にするための最適化を実施した.磁気回路に関してはさらに理論的アプローチを試み,磁気回路の物理モデルから永久磁石の厚み,磁気浮上ステータの直径,電磁石コイル巻数の最適化を行った.その結果,最終的に磁気浮上ステータの直径を55mmとし,消費零力も11W程度にまで低減することに成功した. (3)本ポンプは血液流路幅が最も狭い部分で0.5mmであり,ロータによる血球破壊が懸念事項であった.そのためにヤギ新鮮血を用いた溶血試験を行い,本ポンプによる血球破壊の量は現在臨床で使用されているポンプ(BioMedicus BP-80)と比べ同等であることを確認した. (4)本システムに採用されたゼロパワー方式による付加機能として,専用のセンサーを用いないポンプ流量計測法に関しても検討を行い,ゼロパワー制御の結果,インペラの浮上位置が流量に比例して偏心することを見出し,ゼロパワー制御の特性を利用してポンプ流量を計測する方法の基礎を築くことができた.
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