研究課題/領域番号 |
15390437
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野崎 和彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252452)
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研究分担者 |
橋本 信夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (40135570)
高木 康志 京都大学, 医学研究科, 助手 (40312227)
西田 栄介 京都大学, 理学研究科, 教授 (60143369)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2003年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | MAPK / 脳虚血 / 虚血耐性 / STAT / 脳梗塞 |
研究概要 |
脳組織における神経細胞自身の虚血耐性現象の存在が知られている。我々は、虚血に対して耐性を獲得した神経細胞内における情報伝達機構を検討し、耐性獲得において各燐酸化酵素の相互関係を明らかにすることを目的として実験をおこなった。虚血モデルとして、マウス・ジャービル一過性前脳虚血モデル、ラット・マウス中大脳動脈閉塞モデルを用いた。まずこれらのモデルにおいて、虚血後に神経細胞死が起こり、MAPK cascadeが活性化されることを確認した。特にジャービル一過性全脳虚血モデルにおいて、海馬CA1の遅発性神経細胞死にMAPK familyのp38の関与が大きいことを証明した。次にジャービル一過性全脳虚血モデルにおいて非致死的な虚血負荷により虚血耐性を獲得することを確認した。さらに、耐性を獲得した神経細胞において、immnohistochemistry、Western blotting法により虚血耐性獲得におけるMAPK cascadeの活性化を検討したところ、ジャービル虚血耐性モデルの海馬CA1神経細胞においてp38が虚血耐性獲得時に活性化されることと、さらにp38抑制剤により虚血耐性獲得が抑制され、虚血後の神経細胞死が増加することを証明した。またジャービル一過性前脳虚血モデルの海馬において虚血耐性獲得によりp38の活性化のパターンが変動していること、p38の下流にあるSTAT1が脳虚血後に活性化されていること、STAT1のノックアウトマウスでは脳虚血保護作用があることを証明した。さらに小脳顆粒細胞におけるグルタミン酸による細胞死(アポトーシス)にp38が重要であること、SDF1aによる神経突起伸長にRho-mDiaが関与していることを証明した。本研究により、脳虚血耐性獲得においてMAPKカスケードが何らかの関わりを持つ可能性が示された。
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