研究課題
基盤研究(B)
本研究では、第1に脳腫瘍抗原に対する免疫応答解析法の開発を目的として、精巣組織由来cDNA libraryを、グリオーマ患者血清を用いてスクリーニングしたところ、新規のグリオーマ抗原SOX6が同定された。遺伝子発現を解析したところ、SOX6はグリオーマ組織や胎児脳組織において高い発現が認められたが、成人正常組織には精巣を除いてほとんど発現が認められなかった。つぎにグリオーマ患者血清中のSOX6抗原に対する抗体反応を解析したところ、36人中12人のグリオーマ患者がSOX6抗体陽性であったのに対し、健常人では37人中1人のみ抗体が検出された。また、T細胞エピトープを同定するため、HLA-A24に結合するペプチドを合成し、グリオーマ反応性T細胞の誘導能を解析した結果、2種類のSOX6抗原由来ペプチドが同定された。さらにこれらSOX6抗原由来ペプチドを用いて誘導されたT細胞が、抗原特異的かつHLA拘束性にグリオーマ細胞を障害することを明らかにした。第2に、脳腫瘍に対する新たな免疫療法の開発を目的として、SOX6抗原とヘルペスウイルス(HSV)を用いた複合的免疫治療の解析を行った。マウス脳腫瘍モデルにおいて、SOX6遺伝子を用いたDNAワクチンとHSVをアジュバントとして投与することにより、グリオーマ特異的な免疫が誘導された。今後は、臨床応用へ向けてより有効な免疫療法の開発を進めてゆく予定である。
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