研究課題
基盤研究(B)
破骨細胞は生体では約2週間でアポトーシスによって細胞死に陥る、きわめて短命な細胞であるという事実である。換言すれば、骨リモデリングとは、破骨細胞によって急速に吸収され、欠損した骨組織を、骨芽細胞が緩やかに充填していく過程であるといえる。したがってリモデリングサイクルのイニシャティブをとり、骨代謝回転を決定しているのは破骨細胞であり、破骨細胞の活性、その生存期間は、生体において極めて厳密に制御されていなければならない。骨粗鬆症に代表される骨代謝疾患においては、正常なリモデリングの破綻、すなわち骨形成と骨吸収のアンバランスが大きな問題であると考えられているが、細胞レベルで主たる原因となるのは、破骨細胞の活性上昇・寿命の延長である。本研究においてわれわれは破骨細胞アポトーシスの分子メカニズムを検討した。その結果proapotptotic Bcl-2ファミリーに属するBH3-only protein Bimが破骨細胞アポトーシスに重要な役割を果たしていることが明らかになった。マクロファージコロニー刺激因子(macrophage colony stimulating factor, M-CSF)は破骨細胞アポトーシスを抑制するサイトカインであるが、破骨細胞をM-CSFで刺激するとBimがユビキチン化をうけ、プロテアソームによって分解される。このとき破骨細胞内のERKの活性化が重要な役割を果たす。今後破骨細胞におけるBimの発現を制御する薬剤を開発することによってまったく新しい骨代謝改善剤の開発がみこまれる。
すべて 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (6件) 文献書誌 (2件)
Arthritis Rheum 50
ページ: 828-839
J Clin Invest 114
ページ: 475-484
120001106909
Blood. Dec 7(Epub ahead of print)
J Bone Miner Metab 21
ページ: 123-133
10014444230
Arthritis Rheum 48
ページ: 2682-2692
Embo J 22
ページ: 6653-6664