研究課題/領域番号 |
15390451
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
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研究分担者 |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
田中 敏博 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー (50292850)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2003年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | メカニカルストレス / 骨 / 骨粗鬆症 / 骨折 / 変形性関節症 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
新規亜鉛イオンチャンネルZnt5はメカニカルストレスに対する細胞応答に深く関与している膜イオンチャンネルで、そのノックアウトマウス(KO)は骨芽細胞機能不全のため骨粗鬆症を示す。Znt5の機能を解析するために、分化程度の異なるマウス骨芽細胞株MC3T3-E1、MLO-A5、MLO-Y4の培養系にflexor cellを用いて伸展負荷を加えたところ、最も分化の進んだMLO-Y4でのみZnt5の発現が誘導された。新生児マウス由来頭蓋骨に刺入バネにて牽引を加えたところ、Znt5の発現が対照の約3倍に上昇した。WTマウス尾部懸垂モデルにおける後肢長管骨での発現を検討したところ、免荷3週後に骨密度の低下とともにZnt5mRNAレベルも1/4以下に低下し、これらは再荷重により回復した。KOは尾部懸垂による骨量減少に抵抗性を示し、再荷重後の骨量の回復もWTに比べて遅延していた。下流シグナル同定のため、Znt5のWTとKO由来の骨組織間の遺伝子発現の比較をgene chip microarrayにより比較し、KOで発現低下のみられたおよそ20の遺伝子を抽出した。しかし、それらのmRNAの発現をreal-time PCR法にて確認したところ、WTとKO間での発現に顕著な違いはみられず、有望な下流シグナルを同定することはできなかった。メカニカルストレスがその病態に関与すると考えられる脛骨骨折モデル、変形性膝関節症(OA)モデルを作成したが、骨折モデルでの骨癒合や仮骨の形成およびOAモデルでの関節軟骨変性にKOとWTで明らかな差はみられなかった。 以上より、Znt5はメカニカルストレスによって骨細胞を含む高分化骨芽細胞で発現誘導され、骨芽細胞の骨形成機能を促進して骨量を維持しているシグナル分子であることが明らかとなった。
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