研究課題/領域番号 |
15390468
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所) |
研究代表者 |
高橋 克仁 大阪府立成人病センター(研究所), 部長 (40211338)
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研究分担者 |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
山村 倫子 大阪府立成人病センター(研究所), 主任研究員 (50342994)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2004年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2003年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | ヘルペスウイルス / カルポニン / 腫瘍溶解性ウイルス / 遺伝子治療 / 肉腫 / ウイルス療法 / 遺伝子療法 / 増殖型弱毒化ウイルス |
研究概要 |
ヒトカルポニン遺伝子の平滑筋特異的なプロモーター領域を、HSV-1ウイルスの複製開始に必須な転写因子をコードするICP4遺伝子の上流に挿入し、さらにその上流に標識遺伝子1acZを、ICP4の下流にInternal Ribosomal Entry Site(IRES)-EGFPを連結した相同組換えベクターpKX2betaG3を構築した。このDNA断片をICP4欠失HSV変異体d120のリボヌクレオチド還元酵素(RR, ICP6)の遺伝子座に相同組み換え法を用いて挿入し、ICP4とRRの二重欠失変異体を作製した。この新規HSV-1ベクターd12.CALPΔRRは、チミジンキナーゼ遺伝子を温存し、カルポニンプロモーターの制御下にICP4遺伝子と標識遺伝子であるEGFPを発現できるよう構築したものであり、in vitroの培養細胞を用いたtitration assayとin vivoの背部移植腫瘍に対する尾静脈内投与の系で、カルポニン遺伝子を発現しかつ活発に増殖している平滑筋由来の細胞において搭載したEGFP遺伝子が発現し、細胞溶解活性を示すことを確認した。また、ヒト悪性繊維性組織球腫培養細胞株を用いた肺転移モデルで、d12.CALPΔRRベクターは静脈内投与で肺転移腫瘍を溶解した。さらに、in vitroの培養細胞を用いたtitrationassayとin vivoの腹腔内投与の系でd12.CALPΔRRベクターの複製は、抗ヘルペスウイルス剤であるganciclovirの添加により容量依存性に抑制された。 d12.CALPΔRRベクターをヌードマウス眼窩下静脈より2×10^7p.f-u-/マウスで投与し、経時的に血液、脳、心臓、大動脈、肺、肝臓、腎臓、脾臓、卵巣、膀胱を採取した。HSV-1感受性細胞であるVeroE5を用いたウイルス複製の活性試験を行なったところ、マウス血清中の複製可能なd12.CALPΔRRベクターは24時間でほぼ消失した。組織学的には肝臓、脾臓、肺において、投与後3日目までd12.CALPΔRRベクターに特異的なβ-galactosidase(LacZ)およびHSV-1最初期遺伝子産物であるICP4の発現を認めた。しかし同一細胞内での両蛋白の共発現は認められず、肝、脾、肺組織から複製活性のあるd12.CALPΔRRベクターは検出されなかった。投与後4日目およびそれ以降では、これらの組織でLacZ、ICP4ともに発現は認められず、病理学的にも明らかな組織障害は認められなかった。また投与後の血液生化学検査(肝・腎機能、糖・脂質代謝機能)では、d12.CALPΔRRベクターによる異常は認められなかった。
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