研究分担者 |
有馬 公伸 三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10175995)
大西 毅尚 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (50293783)
曽我 倫久人 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60332714)
石井 健一朗 三重大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90397513)
松浦 浩 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60283537)
木瀬 英明 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (80293786)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
ヒト前立腺癌由来培養細胞株のアンドロゲン感受性に着目し、間充織細胞からのパラクライン的な刺激に対する反応性の違いを検討した。アンドロゲン不応性AIDL細胞は、アンドロゲン感受性LNCaPを血清中ホルモン除去下で培養することにより樹立した。 検討1)各癌細胞株(LNCaP,AIDL,PC-3,DU145)は、ラット尾腱より抽出したI型コラーゲンに封入し、免疫不全SCIDマウスの腎被膜下、皮下および前立腺部に移植した。その結果、各癌細胞株は移植部位に関わらず生着し、株ごとに特徴的な腫瘍を形成した。すなわち、LNCaP,AIDLは暗赤色で、内部に血液を多量に含む腫瘍を、PC-3,DU145は白色調の充実性腫瘍を形成した。 検討2)正常ラット胎児泌尿生殖洞間充織細胞を各癌細胞株と混合し、SCIDマウスの腎被膜下へ移植した。その結果、LNCaP,AIDLは問充織細胞の存在下では部分的に白色の充実性腫瘍を形成した。すなわち、腫瘍内に血液の流出、貯留が認められず、密集した癌細胞の間に間質細胞が入り込んでいる組織像が観察された。間充織細胞からのパラクライン的な刺激に対する反応性は、アンドロゲン不応性細胞株AIDLPC-3,DU145が顕著に高かった。間充織細胞存在下のLNCaP,PC-3,DUI45腫瘍におけるAR,PSA,E-cadherinの発現、局在は癌細胞単独の腫瘍と同様であったものの、AIDL腫瘍ではARおよびE-cadherinの発現減少が認められた。さらに、間充織細胞存在下のLNCaP,AIDL,DU145腫瘍では新生血管数が有意に上昇していた。 以上より、ヒト前立腺癌細胞が有するアンドロゲン感受性の消失が上皮-間質の相互作用に影響し、腫瘍形成能を増加させた上、癌細胞の性質にも変化を与えることを基礎実験的に証明した。
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