研究課題/領域番号 |
15390516
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
間島 雄一 三重大学, 医学部, 教授 (60024791)
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研究分担者 |
竹内 万彦 三重大学, 医学部, 助教授 (50206942)
湯田 厚司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80293778)
清水 猛史 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (00206202)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / 鼻茸 / リモデリング / 粘膜下腺 / 粘液 / 細胞外マトリックス / 動物モデル / 鼻 / 副鼻腔 / ムチン遺伝子 / 気道分泌 |
研究概要 |
今回の研究で得た結果は以下のごとくである。1.慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎においては粘膜下腺細胞の著明な増殖を認めた。前者では内視鏡下鼻内副鼻腔手術により副鼻腔病変が治癒に向かうと粘膜下腺細胞の増殖も正常化する可能性が明らかとなった。2.細胞外マトリックス分解酵素MMP-2が鼻茸組織(線維芽細胞、好酸球)に発現しており、基底膜を構成する細胞外マトリックスを分解して鼻茸形成にいたる可能性を示した。3.ヒト慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎では粘膜下腺細胞の増殖、線毛上皮の損傷、粘膜下結合組織の増加などのリモデリングが存在することを明らかにするとともに、前2者は病変の改善とともに、回復してゆく可能性を示した。4.これらのリモデリングはアレルギー性鼻炎の過敏性亢進に関与しないものの、一旦症状が発現すれば、リモデリングが高度になればなるほど、症状は、より高度になるものと結論された。5.アレルギー性鼻炎におけるリモデリングの動物モデルの作成に成功した。今後は本モデルを用いて、リモデリングの機序の解明、リモデリングの阻止、リモデリングの可逆性につき検討する予定である。6.分泌細胞からの粘液産生については(1)アラキドン酸代謝物であるcysLTsは粘液の主成分であるムチン遺伝子の発現を亢進した。(2)一方PGE2は、そのレセプターであるEP3,4を介して分泌細胞からのムチン産生を抑制した。(3)ヒスタミンはH3レセプターを介してムチン産生を抑制した。(4)血液凝固因子であるトロンビンは粘液産生を亢進させ、気道上皮の透過性を亢進し、気道上皮からのVEGF、TGF-βの発現を亢進した。(5)14印環マクロライド誘導体で抗菌作用を有しないEM703は、市販の14印環マクロライドに劣らぬムチン産生抑制効果を示した。(6)ロイコトリエン受容体(cysLT1-R)拮抗薬はムチン産生を抑制し、その細胞内シグナル伝達経路を明らかにした。
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