研究課題/領域番号 |
15390517
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大森 孝一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10233272)
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研究分担者 |
小川 洋 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70264554)
桑畑 直史 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70336460)
多田 靖宏 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70363760)
金丸 眞一 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30324643)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 再生 / 頭頸部 / 気管 / 喉頭 / 組織工学 / 咽頭 |
研究概要 |
本研究では頭頸部癌術後の機能障害を最小限にとどめることを最終目標に、再生組織工学の手法を用いて、頭頸部の臓器再生に関する研究を行ってきた。 基礎実験として、ポリプロピレンメッシュとコラーゲンスポンジからなる自己組織再生型の生体材料を開発し、耐圧縮強度の比較を行ったところ正常気管と同等の強度を保持することが確認できた。動物実験としてビーグル犬の骨髄を採取し、骨髄間葉系幹細胞を含む細胞群(BSCs)をコラーゲン内で選択的に3次元培養する方法を確立した。 応用実験として、ビーグル犬の動物実験で作製した生体材料を輪状軟骨、気管の欠損部に移植したところ、気道の内腔には線毛上皮の再生を認めた。枠組みとしての強度は移植後5年間頸部気管として経過した人工気管の物性を測定したところ、生体気管と同等の耐圧性を示した。有効性と安全性を確認し臨床応用への基礎データを提供した。Y字型に作った人工気管で分岐部気管の再建を行ったところ気管分岐部でも内面は上皮が再生した。次に、損傷した声帯にコラーゲン内で3次元培養したBSCsを移植することで声帯の組織再生をはかった。コラーゲンはBSCsの増殖に対し適切な足場になることが確認された。声帯隆起の再生に対し喉頭内腔を型取りしたポリプロピレンメッシュシートにコラーゲンスポンジを付加した生体材料を作製し、ここにBSCsを移植したところ、安定した結果は得られなかったが、内腔面が上皮化した声帯隆起を作製できた。 臨床応用としては、京都大学病院および福島県立医科大学病院倫理委員会の承認の上で、開始している。内視鏡、CTなどの評価により全例現時点では経過良好である。本治療は我が国にて世界に先駆けて実現されたことから、国民福祉への寄与が期待され、注目を集めている。
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