配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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研究概要 |
加齢モデル動物としてC57B6マウスを用いて、その1・3・6ヶ月における聴性脳幹反応(ABR)での聴覚閾値を測定した(4kHz,8kHz,16kHz)。動物間でのばらつきが見られたものの平均聴覚閾値は1ヶ月で各約30dBであった。3ヶ月ではそれぞれ約5〜10dBの閾値上昇を、6ヶ月では約20dBの閾値上昇を認めた。加齢モデルマウスと若年モデルマウス間の、蝸牛、蝸牛神経核および下丘における遺伝子発現および消失の加齢性変化をcDNAマイクロアレイ法にて比較検討した。蝸牛においては安定したtotal RNAの抽出は困難で蝸牛神経核と下丘で加齢モデルと若年モデルとの比較をおこなった。蝸牛神経核においてEcm1,Polk,Clps,Pkc-_,Mbtd1,とCacna1aが、下丘においてはGrin,Sftpc,Gsn,4930429B21Rik,2410004N11Rik,Stag1,and Vamp2が加齢モデルにおいて若年モデルと比較してdown-regulateしていた。また、加齢モデルにおいて若年モデルと比較しUp-regulateしている遺伝子としては、蝸牛神経核においてBhlhb3,Ctss,Calb1,Gatm,Phyhが、下丘においてYwhaz,Bmp4,Stam,Mcm2,Gatm,Taf1bが検出された。real time PCRを行ったところ、サイクルの閾値においてマイクロアレイによる結果とほぼ一致する結果を得た。またPKC-εの蝸牛神経核における発現をin situ hybridization法にて確認した。 内耳局所療法のためのドラッグデリバリーシステム開発のため、内耳局所投与時の濃度について浸透圧ポンプとマイクロカテーテルを用いて、モルモット内耳における局所薬物濃度を検討した。外リンパ腔に直接薬剤を投与(デキサメサゾン)し、濃度動態をラジオイムノアッセー法にて測定した。浸透圧ポンプを用いた群では基底回転からの外リンパ液と頂回転からの外リンパ液との濃度は差が無く、投与13日目の基底回転にて平均25.66μg/dlであった。マイクロカテーテルを用いた群では30-40ng/dlと低濃度に希釈されていた。またマウスを用い浸透圧ポンプを使って内耳局所投与モデルを検討した。半規管にカテーテルを挿入してカナマイシンを持続投与した。投与後蝸牛および前庭有毛細胞の消失と聴性脳幹反応での閾値変化および平衡機能を観察し、有毛細胞消失と聴覚および前庭機能障害を認め、マウス内耳への薬剤局所投与に成功した。
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