研究課題/領域番号 |
15390531
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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研究分担者 |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
下山 玲子 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (50346342)
三原 悦子 鳥取大学, 医学部, 助手 (10335515)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 実質型角膜ヘルペス / ケモカインレセプター / 角膜 / 三叉神経節 / real-time PCR / Th1細胞 / サイトカイン / 上皮型角膜ヘルペス / 角膜ヘルペス / ヘルペス性角膜内皮炎 / 角膜上皮細胞 / ケモカイン / T細胞 |
研究概要 |
1)ケモカインレセプターCXCR3およびCCR5のヘルペス性角膜実質炎(HSK)における役割 Th1細胞に選択的に表現されているCXCR3およびCCR5のHSKにおける役割をWild、CXCR3欠損(Ko)、CCR5KOおよび両レセプターKO(DKO)マウスを用いてHSK臨床所見の差異を比較検討した。 HSK臨床所見はCXCR3KO、CCR5KOマウスでは有意差を認めなかったが、DKOマウスでWildマウスと比べて有意に抑制を認めた。組織学的評価では、角膜に浸潤している好中球、CD4陽性細胞、CD8陽性細胞がDKOマウスで有意に減少していた。眼局所における代表的細胞表面抗原のmRNA発現は、DKOマウスで著明に低下していた。ウイルス力価は眼局所で有意差を認めなかった。Wildマウスの脾細胞を移入したDKOマウスではWildマウスとほぼ同等の臨床所見を呈した。以上のことからCXCR3およびCCR5はHSK発症に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 2)ヘルペス性眼疾患でのHSV(単純ヘルペスウイルス)-DNA定量 ウイルス増殖とヘルペス性眼疾患の病態についてreal-time PCR法を用いて、臨床例で検討した。上皮型角膜ヘルペスの定型例の涙液では陽性率100%、HSV-DNA平均コピー数3.5×10^5、角膜擦過物では陽性率100%、平均コピー数1.0×10^7と高い値を示した。また実質型角膜ヘルペスの涙液では、定型例でも50%、非定型例では38.9%と陽性率が低く、コピー数も10^2〜10^3コピーレベルであった。またヘルペスを除外診断する目的でおこなった症例でも12.3%で陽性となり、やはり10^2〜10^3コピーレベルを示した。これは角膜局所の炎症によって潜伏感染しているHSVが二次的に再活性化してくるためと考えられた。これらの結果よりreal-time PCR法にて、10^4コピーレベル以上のHSV-DNAが検出された場合は、診断的意義が高いと考えられた。しかし、10^3コピーレベル以下の場合は、臨床所見や治療に対する反応なども勘案して、診断をおこなうべきであると考えられた。
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