研究課題/領域番号 |
15390551
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10241639)
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研究分担者 |
高田 春比古 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30135743)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
遠藤 康男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50005039)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2004年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2003年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 歯周病原菌 / 好中球 / プロテアーゼ / プロテアーゼ活性化受容体 / 自然免疫 / 口腔粘膜 / サイトカイン / 血小板 |
研究概要 |
本研究により以下のような研究成果が得られた。(1)好中球セリンプロテアーゼ(エラスターゼ、カテプシンGとproteinase 3(PR3))は非上皮系細胞(歯肉線維芽細胞)をGタンパク共役受容体の一つ、プロテアーゼ活性化受容体-2(PAR-2)を介して活性化し、サイトカイン産生誘導をする。口腔上皮細胞にはPR3のみが有効であるが、その理由として口腔上皮細胞の産生するsecretory leukocyte protease inhibitor(エラスターゼ、カテプシンGを特異的に抑制するがPR3には無効のインヒビター)が重要な役割を果たしている。(2)PR3は好中球のほかに炎症歯肉上皮にも発現している。培養口腔上皮細胞株を炎症性サイトカインで処理することにより、同細胞は酵素活性をもつPR3を産生し、また、細胞膜上にも強く発現する。さらに、抗PR3抗体の架橋によりPAR-2を介して同細胞を活性化しケモカイン産生を誘導する。また、粘膜疾患にはT細胞の浸潤を伴うことから、粘膜細胞のT細胞サイトカインIL-2/15に対する応答機構の解明にも取り組んだ。その結果、(3)粘膜細胞が発現する内在性IL-15はNF-κBの活性化を介してIL-2/15レセプターの発現調節をしていることを明らかにした。さらに、(4)歯周病原菌の産生するトリプシン様プロテアーゼ、ジンジパインは口腔上皮細胞が発現する接着分子、ICAM-1(CD54)を特異的に分解し、好中球との相互作用を阻害すること、(5)唾液中に含まれる自然免疫にかかわる重要な分子、CD14は歯周病原菌の口腔上皮細胞への取り込みとケモカイン産生を促進することにより、歯周粘膜局所の自然免疫増強作用を発揮することなども明らかにした。
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