研究課題/領域番号 |
15390554
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80251544)
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研究分担者 |
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
江藤 一洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30014161)
中原 貴 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (10366768)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 頭蓋冠 / 縫合 / 髄膜 / 骨形成抑制 / 歯根形成 / FGF / TWiST / BMP / noggin / DNAアレイ / 冠状縫合 / マウス胎児 / 線維芽細胞増殖因子 / Twist / 縫合閉鎖 / 骨分化 / 髄膜層 / 哺乳類 / 頭蓋骨癒合症 / 硬膜 |
研究概要 |
頭蓋冠縫合部は、脳の成長に適応して骨の添加吸収が行われる場所であり、頭蓋冠の成長の場である。本研究の目的は骨の末端部が近接しているにもかかわらず骨の置換を受けずに縫合として維持されるメカニズムについてマウスを用いて解明することであり、これによって再生医療等において骨形成のより精密な調節が可能になると期待される。 1.頭蓋骨癒合症の原因となる転写因子Twist1は、縫合の形成時には縫合の細胞増殖を維持し、また発生中の骨の末端で前骨芽細胞の未分化状態を保つことが示された。また、生後の縫合の維持にはnogginが関与しているが、縫合の形成時には維持とは異なるメカニズムが働くことが示唆された。 2.発生中の頭蓋冠を裏打ちする髄膜層に発現するTwist1はbone morphogenetic protein(Bmp)シグナルを介して頭蓋冠骨成長拡大の制御を行う可能性が示唆された。 3.線維芽細胞増殖因子(FGF)の発生中の頭蓋冠骨の末端部、すなわち縫合部に及ぼす影響はFGFの種類によって異なっていた。冠状縫合への適用によって骨芽細胞分化マーカーの発現を一時的に上昇させるものの石灰化自体は逆に抑制するものと、分化マーカーの発現上昇とともに石灰化まで誘導するものがあった。すなわちFGFを受け取る細胞の状態が同じでも異なるFGFによって異なる反応が起きた。ゆえに以降の研究計画としてその反応の違いを分子的に解明する予定である。 4.骨の置換が起きないという共通の性質を持つ歯根膜の形成、維持のメカニズムを理解することで縫合の形成維持のメカニズムに対する知見をより深くする。まず歯冠形成に深く関与するsonic hedgehog(Shh)シグナルは、歯根の伸長に関与することがShhとその関連分子の局在の検討、およびShhシグナルが抑制されている変異マウスの観察より明らかとなった。また、歯根膜形成とShhシグナルに直接の関係がないことが示唆された。さらに歯根形成に対してもFGFによってその反応が異なることを明らかにした。
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