研究課題/領域番号 |
15390556
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
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研究分担者 |
入江 太朗 昭和大学, 歯学部, 講師 (00317570)
相田 忠輝 昭和大学, 歯学部, 普通研究生 (10307051)
齋藤 雅子 昭和大学, 歯学部, 助手 (60338530)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 口腔癌 / 遺伝子発現 / マイクロダイセクション / マイクロアレイ / マイクロレイ / 悪性腫瘍 / 診断 / 治療 |
研究概要 |
癌の診断・治療は、これまで臨床的な病期や臨床病理学的情報に基づき行われてきたが、ほぼ同様な癌であっても異なる臨床経過、治療に対する異なる感受性や予後を示すことがある。この理由については、治療法の選択に際し、現時点において癌の生物学的性格を十分かつ客観的に把握することが困難であることに起因すると考えられる。われわれは、この様な問題を解決し得る「癌の個性診断」を可能とすべく、レーザーマイクロダイセクション法と、マイクロアレイ法を用いて、組織標本上から回収された癌細胞の遺伝子発現プロファイルの解析を行った。また、このシステムを用いた癌の生物学的性格の客観的評価法確立に向けた「癌の生物学的性格」に対応した「遣伝子発現プロファイル」がいかなるものであるのかその検討を行った。その結果、口腔扁平上皮癌症例間で共通して発現量の増加ないし減少がみられた遺伝子や転移陽性症例間と転移陰性症例間において共通した挙動を示した遺伝子が明らかとなった。前者は、癌の組織発生や浸潤・増殖能の獲得などに関わる癌が成立する上で重要な因子であることが推察されることから、「癌か否か」の判断の根拠や腫瘍マーカーとしての応用への可能性があると考えられ、後者については、癌の転移に大きな役割を果たす遺伝子であることが示唆された。一方、転移陽性症例と転移陰性症例の平均化遺伝子発現プロファイルが見いだされたことは、「癌の生物学的性格」の重要な要素である癌の転移能を評価し得る「遺伝子発現プロファイル」の一端が明らかになったと考えられた。 今後、解析症例数を積み重ねることによって、レーザーマイクロダイセクション法とマイクロアレイを用いた本システムは癌の診断・治療や癌患者のquality of lifeの向上に大きく寄与することを期待し得ると考える。
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