配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,支台歯の選択を含めた義歯の設計や付与する咬合様式などを検討する上で重要な,機能時に義歯に加わる力の支台歯への伝達様相を,これまでに開発した小型水晶圧電式センサを用いた荷重測定システムを応用し,三次元的に明らかにすることである. 被験歯毎に鋳造製作した歯冠部と根管内ポストで、荷重センサを上下的に挟み込む構造の測定装置を,実験の趣旨を十分に説明し同意を得た有歯顎者一名、部分欠損患者二名の支台歯に応用した.有歯顎者は上顎左側第二大臼歯に、部分欠損患者は、一名は下顎左側第一小臼歯,もう一名は下顎右側第二小臼歯である, 近・遠心レストを着脱可能にした被験義歯を装着した部分欠損被験者に最大噛みしめを行わせ,支台歯に加わる荷重を(1)義歯無し時,(2)近・遠心レスト付与時,(3)近心レスト付与時,(4)遠心レスト付与時でそれぞれ測定した.支台歯に加わる荷重量は,(1)112.9±8.1N,(2)93.5±15.3N,(3)87.6±13.8N,(4)79.3±3.9Nであり,義歯無し時に比較して遠心レスト付与時に有意に低下した.また、FH平面からの垂線に対する支台歯に加わる荷重方向の近・遠心的角度は,義歯無し時に比較して近心レスト付与時に有意に減少し,また遠心レスト付与時は近心レスト付与時に比較して有意に増加した.有歯顎者では,最大噛みしめ時の大きさは173±13Nであった.食品咀嚼時には,被験食品によって、最大咀嚼力発揮時の荷重の方向が有意に変化した。また,粘着性食品咀嚼時に,歯を引き抜く方向の力も測定された. 以上のように,レストの設置位置の違いにより,最大噛みしめ時に部分床義歯支台歯に加わる力の方向が変化する様相を捕らえることができ,また歯に伝達される荷重を,歯を引き抜く方向の力を含め三次元的に測定可能であった.
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