配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
インプラント-骨界面の骨基質は通常の骨組織と比べ,細いコラーゲン線維から構成されていることから,我々は,この界面構造の形成と維持にコラーゲン線維形成に関わる因子が何らかの役割を担っているという仮設を立てた.チタン上で培養した骨芽細胞の石灰化過程におけるリジルハイドロキシラーゼ(LH)の発現変化を調べたところ,LH1,LH2,LH3のそれぞれが異なる発現パターンを示し,特にLH2は石灰化期に入った後,発現が増加することを見出した.また,コラーゲン結合性低分子量プロテオグリカンの発現変化を調べたところ,デコリン,バイグリカン,ファイブロモデユリン,ルミカンもそれぞれが異なる発現パターンを示した.デコリンは石灰化期に入って後,発現が増加したが,反対にファイブロモデュリンは石灰期に入って発現が著しく減少した.ルミカンは石灰化開始と同時に発現が一旦増加した後,元のレベルに戻るが,バイグリカンは石灰化開始と同時に発現が一旦減少した後,元のレベルに回復した.骨基質のリモデリングに関与するmatrix metalloproteinases(MMPs)とtissue inhibitors of metalloproteinases(TIMPs)の発現を調べたところ,MMP-3とMMP-13以外の分子では石灰化期に特有な発現変化を示さなかった.しかし,MMP-13は石灰化期で発現が減少するのに対し,MMP-3は反対に増加することがわかった.以上より,LHs,コラーゲン結合性低分子量プロテオグリカン,およびMMPsはチタン上での骨の石灰化過程でそれぞれ異なった時期特異的発現パターンを示すことから,それぞれが特有な役割を担っている可能性が推察され,インプラント-骨界面構造の形成と維持にそれぞれの分子が特異的な働きをしている可能性が考えられた.
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