研究課題/領域番号 |
15401020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上野 稔弘 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (10333907)
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研究分担者 |
菊地 永祐 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00004482)
鹿野 秀一 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (70154185)
宮本 毅 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (90292309)
木島 明博 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50161451)
櫛谷 圭司 新潟大学, 工学部, 助教授 (00186389)
成澤 勝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00180539)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 図們江 / 民族 / 環境 / 文化 / 資源 / 朝鮮 / 水質 / 生物 / 経済 |
研究概要 |
本研究課題は中国・ロシア・朝鮮が国境を接する図們江(豆満江)沿流域を対象に、この一帯で近年進行する開発とそれに伴う自然及び社会環境の変化を文理双方から通時的・共時的に検証するものである。研究期間である平成15年度から17年度までの3年間に、中国吉林省延辺朝鮮族自治州を中心とする現地調査及びその他地域での関連資料の収集を行い、収集データの分析を行った。図們江開発は当初国連開発計画の主導で検討された国際貿易拠点の形成から中朝ロ参加国間の貿易ネットワークの形成へと重点を移しているが、現地調査によれば中国側と比べ、ロシア・朝鮮側の開発はあまり進展しておらず、加えて研究期間においてはSARSの流行などにより国境間移動が制限されるなどの状況が見られた。そのため図們江の生態環境は比較的良好に保たれており、水産資源の有効活用の可能性も見出されたが、中流域においては朝鮮側の炭鉱都市茂山からの流入した堆積物による生態環境への影響が見受けられ、また中国側支流では生活排水の影響が顕著であり、今後の経済活動活性化に伴う図們江流域の水質環境悪化の可能性が指摘された。またこの地域は朝鮮民族が多く居住しており、中国側では近現代史の過程で少数民族と位置づけられ区域自治を行っているが、居住環境における漢族との同質化や、近年の市場経済化の浸透や開発の進展に伴う人口移動の加速が朝鮮族コミュニティを急速に変容させる一方、韓国からの文化的・社会的影響が増大するなど、彼らの民族アイデンティティを取り巻く環境も変動していることが明らかになった。
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