研究課題/領域番号 |
15401036
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
|
研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
佐々木 伸一 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30175377)
|
研究分担者 |
渡邊 欣雄 (渡邉 欣雄) 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (90103209)
池上 良正 駒澤大学, 文学部, 教授 (60122925)
黄 強 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90329673)
志賀 市子 茨城キリスト教大学, 文学部, 助教授 (20295629)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 中国 / 宗教 / 市場経済 / 文化人類学 / 民族宗教 / シャーマン / 死者供養 / 国際研究者交流 / 民俗宗教 / 民間信仰 / 祖先祭祀 |
研究概要 |
中国での四半世紀にわたる改革開放政策は確定したものとなり、社会主義市場経済という特異な政治経済体制は国際的に許容され、中国の世界経済的競争力と生活水準は、今確実に上昇しつつあり、徐々に先進国へ仲間入りをしようとしている。その中で、中国政府に公認された宗教から、非公認の民俗宗教に至る様々な宗教的活動も、年齢や性別を問わず急速に盛んになっている。この結果、文革期以前の民国時代と現在の間には、多様な社会的な変化が生じることになった。また、科学技術の発展とコンピュータによる情報化は、中国における生活環境を急速に変貌させ、中国の宗教も、様々な状況下における宗教的職能者の柔軟な対応があるにせよ、種々の現代的な要求に応じる市場の中で徐々に変容しているのである。 我々はこの調査研究により、昨今の中国の社会状況における、種々の宗教的行為の復活の現況を明らかにすることができたとともに、この研究において、市場主義経済化という原理による近代化が、宗教にも当てはまるものであることを立証した。すなわち、中国の宗教は実践からという要素を強く保持しており、中国宗教が衰退を余儀なくされた状況においても、人々は寺廟に関連する事業から多くの経済的な「利益」を得、結果としてそれが信仰を表明する宗教的実践ともなったのであるが、現在ではさらにこれが明確化し、宗教的活動による「宗教に係ることによる経済的利益」を求めることが、「宗教的御利益」を求める活動と直結するようになっているのである。このような市場経済と宗教活動の関係性は、その実践性ゆえにフィールド研究を通じて初めて明らかにすることができるものといえよう。
|