研究課題/領域番号 |
15402001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生活科学一般
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
岩崎 雅美 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10083057)
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研究分担者 |
瀬渡 章子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (60179348)
宮坂 靖子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (30252828)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (90186437)
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
服部 範子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (70189570)
村田 仁代 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (90219931)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 新疆ウイグル自治区 / ウイグル族 / 少数民族 / 女性の生活 / カシュガル / ハミ / トルファン / ホータン / グマ / キリヤ / クムル / 南疆 |
研究概要 |
本研究者らは平成15〜17年度の3年間に中国・新疆ウイグル自治区のウルムチ、カシュガル、アトシュ、ハミ、トルファン、ホータンなどの地区を訪問し、ウイグル女性と生活環境に関する実態調査を行った。研究方法は民家訪問による聞き取りや測定、写真記録などである。調査は研究分担者の専門性から家族、ジェンダー、服飾、食文化、住環境の分野に分かれた。現地の状況把握や円滑な調査のために、地元の中学校・大学の教員や博物館のスタッフ、日本に留学しているウイグル女性らウイグルの人々の協力を依頼した。 研究における調査や比較の視点として主に以下のものを設定した。(1)子どもの教育(2)日常とラマダンなどの大きな宗教行事の時の生活の相違(3)ムスリムの女性としての祈りの状況(4)家族関係・衣食住における生活の伝統と変容一都市と農村、中心部と地方部、漢化の影響、夏と冬の生活、テレビを始めとする情報化の影響等から。 学校教育における子どもの問題は高校進学率が低下していることで、学校に行けない生徒が増えていることである。特にこの地域で80%を占める貧しい農家の家族では、両親が教育を受けていないことから子どもに期待をかけず、子どもが学校に行く妨げにもなっている。子どもの育児は母親が担当するが、親戚や自分自身の母親から援助を受けることが多い。ウイグルの人々は家庭の仕事に対して性的役割分業をしっかり保持する伝統を維持している。特にムスリムの社会では長老が実験を持つ制度が強く、そのために特に女子が教育を受けること対する意識が男子に比べて低いものになっている。 ラマダン(ラマザン)の1ヶ月は昼間の町は活気が無いが、日没と同時に人々は何かを食し、食した場所には幸せが宿るともいわれ、町のレストランは家族連れでにぎやかになる。民家においても羊の出汁を用いた汁麺やポロを中心とした定番料理があり、隣人が寄り合い楽しく過ごしている。 女性のムスリムとしての祈りの準備は服装を整えることから始まり、少しの水を用いて身体の各部を清らかにするしぐさの工程は合理的で洗練されたものである。1日5回の祈りは農繁期には必ずしも完全に行われていない。一方男性は通常モスクに出かけて祈るが、メッカに詣でてアジになることを最上とする考えは男女共にあり、強い宗教心が生活を支配している。 また新疆ウイグル自治区への漢族の人口増加が目立ち、特に教育に深刻な影響を与えている
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