研究課題/領域番号 |
15402003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 教授 (30174832)
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研究分担者 |
小八重 祥一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (10038276)
加藤 隆 森林総合研究所, 四国支所長 (40353643)
庄司 功 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (20282329)
吉本 敦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (10264350)
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90243071)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 温暖化防止 / 炭素固定効果 / 森林資源 / 再造林放棄 / 米材輸入 / 持続的経営 / 炭素税 / 市場空間均衡モデル / 炭素税導入 / 森林転用 / 木材需給 / 持続的森林経営 / スギ材利用 / 集成材 / 木材貿易・森林資源モデル / 循環型資源管理 / 温暖化防止策 / 構造別住宅建築需要体系 / 米材 / 状態空間モデル / 京都議定書 / 排出量削減枠 |
研究概要 |
本研究の成果を総括すると、以下のようになる。 1)温暖化防止のための森林管理の炭素固定効果を、経済的な面とチェックする森林資源管理モデル(DP-KYSS)を作成して分析。結果、間伐補助金が森林の炭素貯蔵の減少を防ぐ効果がること、またその効果は35年の伐期ローテーションが最も高く、50-65年で最小となること、余り長期の伐採は炭素貯蔵価値を下げること、森林の炭素固定効果を増やすには間伐補助金をもっと増やすこと等が指摘された。 2)1990年代の九州7県442市町村を対象に、森林の他用途転用が起こる経済的メカニズムを分析。結果、レジャー用、産業用、住宅用の転用に対しては、人工林率、在村者保有面積比率、林業就業者密度の3変数が抑制的に働くことから、林業経営を有利に行うことが森林転用の歯止めとなることを示した。 3)わが国の中でも旺盛な林業生産活動を続けており、再造林放棄面積も大きい宮崎県を対象に、再造林率を推定すると、再造林面積には、同年の伐採面積が最も影響しており、同年と前年を合わせて約65%再造林されている。残りはそのまま放置されている可能性があることが指摘された。 4)最も輸入量の多い米材の変化が、日本の木材需給に及ぼす効果は、国産材よりもNZ材需要の方が大きく、米国産地の住宅着工戸数、石油価格等が10%上昇しても、国産材は僅かに1.0%しか増えない。米材からの輸入が減っても、わが国の豊富な森林資源の利用は進まず持続的経営は容易ではない。 5)我が国に炭素税導入の木造住宅建築需要への影響を、建築構造別の住宅建築需要体系モデルにより検討した。その結果、炭素税が課された場合の木造住宅、木材の需要の増加は、現在環境省が検討している程度の税率では、多くを期待できない。木造住宅が化石燃料消費の少ない建築構造であることを消費者に啓発、普及するなど、消費者と木造住宅をつなぐ取り組みを強化する必要があろう。 6)日本の8地域(東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州)に韓国、中国を加えて、今後の需給変化の特徴をみた結果、市場空間均衡モデルによるシミュレーションでは、九州地域を除く日本の各地域では製材品需要が増え、その増加分は韓国、中国からの供給可能性が指摘された。
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