研究課題/領域番号 |
15402016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
衛藤 幹子 法政大学, 法学部, 教授 (00277691)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 政治学 / ジェンダー / 自発的活動組織 / 市民社会 / 政治参加 / 女性運動 / ジェンダー・メイン・ストリーミング / 政治的インパクト / デンマーク / 非営利・非政府活動 / 政策決定 / シティズンシップ / ヴォランタリー組織 / エージェンシー(民主主義のエージェント) / 直接的政治参加 / 福祉国家 |
研究概要 |
平成15年度のイギリス調査では、12の女性団体を調査した。イギリスの女性団体の多くは、大きく2つの包括組織(NCWGBとNAOW)に統合される一方、女性の意見を政府の女性政策に反映させるという役割を担う「全国女性委員会(Women's National Commission, WNC)」が全組織を束ねている。イギリスにおける女性政策の形成過程では、個々の女性団体の提案は、NCWGBとNAOWから、WNCに渡され、WNCが取りまとめて、政府に提起するという政策形成の行程が確立していた。 平成16年度のデンマーク調査は、(1)EUおよび北欧5力国との協力関係、(2)デンマーク政府と女性団体との関係、(3)デンマークにおける代表的な女性団体の実態の3つのレベルで実施した。デンマークのジェンダー関連政策の形成において女性組織の意見は政府政策の中に反映されていたが、それは女性団体の一方的な圧力行動の結果ではなく、デンマーク政府がこうした非政府団体の意見を求め、それを政策に取り入れようとしているからであった。 平成17年度のスウェーデン調査では、ストックホルム大学のドゥルデ・ダレループ教授のもとで、(1)政策決定における女性団体の影響力、(2)スウェーデンにおける代表的な女性組織の実態、(3)クオータ・プロジェクトの活動調査と学術交流を行なった。国家の主導の所謂「上からのフェミニズム」という通説に反して、現実にはスウェーデンの女性団体は大きな政治過程において強い影響力を行使していた。ジェンダー平等局は、非政府・非営利女性活動組織との対話の場を定期的に設定していた。 平成18年度は、(1)9月17日に実施されたスウェーデン総選挙に初登場したフェミニスト政党の選挙キャンペーンの観察と(2)フィンランドにおける女性団体と政党との関係を調査した。スウェーデンでは、フェミニスト政党の選挙運動に参加し、スウェーデンの女性たちが世界のトップ・レベルにあるスウェーデンの男女平等政策に必ずしも満足しておらず、真の平等を求めて政党が結成されたこと、すなわち「上から」の国家主導の変革と同時に、「下から」の女性たちのエンパワーメントが不可欠であることが明らかになった。また、フィンランドの女性運動は、よく組織化され、すべての女性団体の頂点には、NYTKISという政治家一研究者一活動家の連携組織が結成され、女性の声が政治に直結する仕組みがあることがわかった。
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