研究課題/領域番号 |
15402042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 吉備国際大学 (2006) 島根県立大学 (2003-2005) |
研究代表者 |
高橋 睦子 吉備国際大学, 社会福祉学部, 教授 (50320437)
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研究分担者 |
MERVIO M. M. (MERVIO M・M / M M Mervio / MERVIO Mika) 吉備国際大学, 社会福祉学部, 教授 (00320440)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 緑の福祉モデル / フィンランド / 北欧型福祉国家 / エコロジー / 福祉モデル |
研究概要 |
本研究では、フィンランドにおける福祉国家の展開を事例研究として、経済成長だけでなくエコロジカルな意味での持続可能な社会開発を希求する立場から、「緑の福祉国家」に関する理論と実践について研究した。エコロジカルな視座は、人間中心主義を超える生命中心主義の考え方から福祉国家のありようを捉え直す可能性を提供する。エコロジーは環境と経済の関係だけでなく、社会の各レベルでの意思・政策決定に関するパワー関係の見直しをも要請する。グローバル経済の浸透により知識経済化が進む中で、人類は人間社会の社会的格差や社会的排除の問題群との取り組みと同時に、越境的かつ地球規模の生態系保全を持続可能な社会開発として探求する環境倫理的な責務を負う。フィンランドの福祉国家は、北欧型福祉国家モデルを基盤として20世紀後半から発展し、1980年代には環境運動をはじめとする社会運動のリーダーを中心とするゆるやかな組織を出発点として、緑の党が形成された。1990年代からは与党政権にもなっている。福祉の政治の場では、緑の党は社会民主党との政策協調を通じて、社会的公正を強調する政策指向を示している。したがって、フィンランドの緑の党は、ドイツやスウェーデンの緑の党と同様に、環境問題にとどまらず、世代間責任や環境の公正といった概念を中心に社会政策へのアプローチを模索・確立してきた。緑の党だけでなく、福祉の政治の緑化という意思決定・政策決定プロセスの変容を通じて、緑の福祉国家が形成されている。
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