研究課題/領域番号 |
15403001
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
科学教育
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 毅彦 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10297632)
|
研究分担者 |
前田 健悟 熊本大学, 教育学部, 教授 (00040048)
榊原 保志 信州大学, 教育学部, 助教授 (90273060)
山崎 良雄 千葉大学, 教育学部, 教授 (10210402)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
|
キーワード | 理科教育 / 天文教育 / インターネット / 遠隔利用 / 天文台 / リアルタイム |
研究概要 |
平成15年度は、初の海外インターネット天文台をガーナ共和国テマ市(グリニッジ子午線の通る港町で、地球の原点に最も近い陸地)に設置し、教育実践への利用を開始した。現地との連絡やハード、ソフトなど事前準備を行い、8月にガーナ現地を訪れ、設置場所の決定を含む交渉事の大半を完了した。9月に天文台資機材一式を神戸港から搬出、11月下旬から12月初旬にかけて再びガーナを訪れ、天文台の設置を完了した。 ガーナ・インターネット天文台を使った最初の教育実践を、熊本県の本渡市と新和町において二つの小学校で行い(12月15、16日)、昼間の授業中にガーナの夜空(月や土星)を学習材料として扱うことに成功した。子どもたちの触れる機会が少ないこうした天体のリアルタイム映像を、実際の授業で提供することの効果は十分に確認でき、次年度の実践展開への指針を得た。 平成16年度には、ガーナ・インターネット天文台を改良を続け(現地を二回訪問)ながら教育実践などへ積極的に活用した。教育実践は、熊本県本渡市および新和町の公立小学校、熊本市内の公立中学校、北海道札幌市の公立小学校、熊本大教育学部、千葉大教育学部、北海道教育大教育学部の各々附属小学校にて展開した。昼間の授業中にインターネット天文台を通しリアルタイムに夜空を見る授業に、子どもたちは目を輝かせて取り組んだ(各授業後にアンケートをとり、興味・関心や意欲の変化を調べた)。熊本大教育学部附属小における授業はTV取材を受けるなど、この取組みの社会認知度・注目度も大きく上がってきている。 学校以外でも、熊本県生涯学習推進センターの市民講座、熊本市博物館の特別展「毛利宇宙飛行士の部屋」、コンピュータ教育開発センターCECのシンポジウム「Eスクエア・アドバンス成果発表会」への出展等、本教育ツールの普及にもつとめた。日本天文学会春季年会においても、2年続けて成果報告を行った。 設置から実践まで多くのことに追われ、論文発表は後回しとなったが、2年間とも学部学生の卒業論文として成果がまとめられている。それらを集大成した論文を執筆・発表の予定である。「地球の裏側から夜空を」観察することを可能とし、理科学習の質を変えてゆく先駆けとして、成功した研究であったと自負する。
|