研究分担者 |
立川 賢一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20013584)
青木 優和 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (70251014)
鰺坂 哲朗 (鯵坂 哲朗) 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 助手 (40144349)
石田 健一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40232300)
杉本 隆成 東海大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,中国の研究者と共同の現場調査を行い,中国沿岸のホンダワラ科植物の藻場であるガラモ場の実態を明らかにし,東シナ海における流れ藻との差異,日本周辺流れ藻やガラモ場との比較を通じて,東シナ海の流れ藻の起源が中国の藻場であるのかを検討することであった. 浙江省最南部の温州市洞頭県,最北部の乗泗県,その中間の舟山市で現地調査を行った.温州市および舟山市にもガラモ場が分布することがわかったが,2000年4月に東シナ海東部で大量に発見されたアカモクは確認できなかった.しかし,乗泗県拘杞島では潜水調査でアカモクを確認した.平成16年のホンダワラ類の繁茂季である5月に再び坪刈調査による定量採集,付着動物採集,魚類採集を行った.坪刈した大形藻類中に占めるアカモクの割合は93.9%(湿重)で,舟山列島が東シナ海の流れ藻の供給源として重要であることが明らかになった.平成16年3月には研究船白鳳丸航海において東シナ海での流れ藻の分布採集調査を実施し,ほぼすべてアカモクの流れ藻が黒潮と大陸棚水の間にあるフロントに分布することを確認した.平成17年の3月〜6月にかけて中国浙江省のガラモ場から衛星で位置を追跡できる漂流ブイ10個を順次放流した.それらのブイの中,1個は約2ヶ月後に九州南岸を移動して豊後水道南部九州沿岸に漂着し,もう1個も約2ヶ月間東シナ海東部海域で漂流後,韓国済州島の南部に達した. 本研究により中国沿岸のガラモ場から流れ藻となったホンダワラ類のアカモクが,東シナ海流れ藻に寄与するばかりでなく,太平洋側および日本海側の両方の海域に移動して日本沿岸の流れ藻となる可能性まで示された.今後,本研究により採集された動物相の解析,アカモクの遺伝的解析を通じて,中国沿岸の藻場と東シナ海および日本沿岸の流れ藻や藻場とのつながりについて検討する.
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