研究課題/領域番号 |
15405008
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
後藤 晃 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (30111165)
|
研究分担者 |
酒井 治己 独立行政法人水産大学校, 生物生産学科, 教授 (80399659)
岩田 明久 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (20303878)
森 誠一 岐阜経済大学, 経済学部, 教授 (50308657)
渡辺 勝敏 (渡邊 勝敏) 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00324955)
山崎 裕治 富山大学, 理学部, 助手 (30332654)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | 東アジア淡水系 / 淡水魚類相 / 種多様性 / 遺伝的多様性 / 行動・生態的多様性 / 系統地理パターン / 生活史進化 / 生物多様性の起源 / 極東アジア / 淡水魚類 / 分子系統関係 / 系統地理 / 繁殖行動進化 / 種分化機構 / 国際研究者交流 / 生活史・行動進化 / 生物多様性形成史 |
研究概要 |
著しい固有性を有する北日本を含む東アジアの淡水系における魚類の生物多様性実態と種多様性の起源を明らかにする目的で、各河川の魚類相、DNA解析による分子系統関係、種分化プロセスとその後の分散パタン、倍数性の進化、遡河回遊性と河川性の生活史進化、繁殖生態と行動に関する調査研究を実施し、以下に記す貴重な研究成果を得た。 1)東アジアのカワヤツメ属の系統関係を解析した結果、カワヤツメ、シベリアヤツメ、スナヤツメ北方種は単系統群であるが、スナヤツメ南方種はカワヤツメ属、ランペトラ属およびエントスフェヌス属の共通祖先に由来することが明らかになった。 2)オビ川水系で採集されたフナ属魚類はヨーロッパブナとフナの2種から構成され、前種は中国から移植されたものであるが、後種は自然分布種であり、その中に遺伝的に分化した2グループが存在することが示された。 3)東アジアのトミヨ属魚類は、3つの主要な系統(A,B,C)から構成され、それらは約300万年前にA(汽水型)とB+Cが分岐し、200-100万年前にB(淡水型)とC(エゾトミヨ、雄物型など)が種分化したことが示された。 4)東アジアのネコギギ属魚類は第3紀中新世初期に起源し、その後、中新世中期から鮮新世までの時代に種分化を繰り返したと推察された。 5)ユーラシアと北アメリカのカジカ属魚類とその近縁属魚類の系統関係を解析した結果、日本海周辺に分布するヤマノカミとアユカケが最も古いグループであり、それらの祖先種から他のカジカ属魚種が種分化したこと、および海洋で産卵する降河回遊性から淡水で産卵する両側回遊性と河川性が進化したと推察された。 6)イトヨ属の太平洋型と日本海型間での生殖的隔離に関与する繁殖シグナルにおける表現型分岐について解析した結果、日本海型はジグザグダンスの行動要素を失った一方、新たな求愛行動ダンスを獲得したことが明らかになり、これらの新奇の行動要素が種分化の後期ステージで生殖的隔離にとって重要であることが示唆された。
|