研究分担者 |
夏苅 豊 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039729)
小山 次朗 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (50336327)
竹田 達右 九州大学, 農学部, 助教授 (30091367)
征矢野 清 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 助教授 (80260735)
タケガキ 毅 (竹垣 毅) 長崎大学, 生産科学研究科, 助手 (50363479)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
平成15〜17年度の研究によって、以下の点が明らかになった。 1.日本・韓国・中国のムツゴロウのミトコンドリアDNA塩基配列の分析結果から,日本の個体群は地理的隔離を受けて大陸個体群から分断された大陸遺存種であることが示された.また,遺存種の多くが約1.5万年前の最終氷期に大陸から分岐したとされてきたが,塩基置換率から推定した日本のムツゴロウ個体群の分岐年代は24-265万年前と桁違いに古いことが明らかとなった. 2.トビハゼの生息する可能性のある韓国沿岸の数地点低質について,その内分泌かく乱作用強度を測定したその結果,ソウル近郊に位置するShihwa湖(干拓池)とその海に面した外側の地点ではエストラジオールのリセプター結合が50%以上阻害された.一方,ムツゴロウなどが生息する韓国南部のYeosu市近郊のSanbong及びSangnimでは同結合阻害率が20%未満と小さく,わが国の有明海でも結合阻害率11%以下と低かった.Shihwa湖及びその周辺の観察結果から,人口密度が高く,工業化の進んだ地域からの汚水に含まれる女性ホルモン作用を有した物質によって,その沿岸域低質が著しく汚染されていることが明らかとなった. 3.韓国南岸のYeosu近郊の河口干潟で採集した越冬直前のムツゴロウ若齢個体の肝重量指数および体脂肪率は,日本の個体の約2.5倍も高い値を示した.韓国南岸における本種の冬期非活動期間は日本よりも約2ヶ月間も長いため,冬期の消耗による死亡を避けるために,越冬前により多くのエネルギーを貯蓄していると考えられる. 韓国のムツゴロウとトビハゼについて、日本産の同種個体と比較ながらさらに今後の研究を展開させていく必要がある。
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