配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
牛レンチウイルスである牛免疫不全ウイルス(BIV)の分離株での遺伝子変異を知るためにまず日本での抗体調査から初めた。北海道ではほぼ10%程度の陽性率を示していた。これら陽性牛の末梢血リンパ球より3株が分離された。この3株の分離株についてまず、pol領域の解析を行なった。その結果、アメリカの分離株(R-29)と比較して塩基配列で99%と高い相同性を示した。次いでenv領域についてアメリカ株(R-29)と比較を行った。env領域のうちこれまで分離株間で比較的保存されている領域C2,C3ならびに変異の大きいV1,V2について比較した。日本分離株ではこれらの領域の一部で増幅がみられR-29と比較した。その結果、C2,C3領域では比較的相同性が高かったもののV1,V2領域では、変異ならびに欠失がみられた。 カンボジアでは、プノンペン周辺の5地区より無作為的に牛(544頭)、ならびに水牛(42頭)の血液材料を得た。BIVは陽性率は牛で26%、水牛で17%であった。BIV抗体陽性牛のリンパ球より5株のBIVを分離し、その性状を調べた。BIVエンベロープ遺伝子の塩基配列を決定した後、アメリカならびに日本の分離株とエンベロープ遺伝子中の保存領域C2,C3ならびに超変異部位V1,V2について比較した。その結果、日本とカンボジアの分離株のenv遺伝子は、アメリカ株のenvにくらべ短く、遺伝子欠損がみられている。 一方、アフリカのザンビアでも牛の材料(262検体)を得ることができたので調査した。これらの血清ではBIV抗体陽性率は、それぞれ11.4%であり、抗体陽性牛の末梢血リンパ球よりBIVの分離を行い4株を得た。これら4株のpol遺伝子のアミノ配列を日本やアメリカ分離株と比較したところ97%以上の高い相補性を示していた。
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