研究課題/領域番号 |
15405038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
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研究分担者 |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
高木 道浩 神戸大学, 農学部, 助手 (90301283)
浅川 満彦 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (30184138)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | マレック病ウイルス / マガン / nested PCR / ヒシクイ / meq遺伝子 |
研究概要 |
マガン由来マレック病ウイルス血清型1(MDV1)の病原性及び日本国内への強毒ウイルスの導入の可能性を明らかにするため、平成15〜17年度に北海道やロシアのガン・カモ類の飛来地・換羽地などでの材料採取を行った。北海道クッチャロ湖畔でカモ類200羽、ロシアカムチャツカ半島南部でヒシクイ63羽、飼育されているシジュウカラガン15羽、ロシアチェトコ自治区アナディル近郊でマガン50羽を捕獲し、羽(羽軸)及び血液材料(血液濾紙)を採取した。また北海道宮島沼でのマガン捕獲も行い(147羽)、同様に材料を採取した。これらの材料より、全細胞DNAを抽出し、当研究室で樹立したMDV1のmeq遺伝子を標的としたnested PCR法にてMDV1の遺伝子診断を行った。その結果、カモ類からは、MDV1は検出されなかったが、マガンなどガン由来材料の25〜30%からMDV1が検出された。これらのガン類は臨床的症状を示してはいなかったが、本研究で野生ガン類のMDV1汚染が明らかとなった。 さらにマガン由来MDV1の病原性を解析するために、検出されたMDV1のmeq遺伝子やgB遺伝子などについて塩基配列を解析した。ガン類由来MDV1のmeq遺伝子は、これまで報告されている超強毒MDV1のmeq遺伝子と高い相同性を示し、さらにgL遺伝子において超強毒MDV1で報告されている変異が存在していた。このことはガン類では強毒MDV1株が感染・維持されていることを示している。しかしgB遺伝子の比較の結果、北海道でワクチンブレークを起こした鶏から検出された強毒MDV1とは若干異なっていることが示されたが、ロシアで分離したマガン由来MDV1株のひとつが、北海道で分離されたMDV1株と近縁であり、マガン-鶏間のMDV1の伝播の可能性も示唆された。今後、より多くのマガンあるいは他の野鳥由来MDV株の性状解析が必要と思われる。
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