配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
研究概要 |
新彊ウイグル自治区の家畜について,リケッチア感染症,原虫感染症の分布を血清学的,分子生物学的に調査検討した。トルファン地区の放牧牛から回収したマダニを材料に紅斑熱群リケッチアの検索を行ったところ、複数のマダニHaemaphysalis danieliから、新興リケッチアであるRickettsia principisに近縁のリケッチアDNAが検出された。同自治区の牛146頭,山羊133頭,羊134頭,馬85頭,ロバ93頭,豚30頭の血清を材料に,免疫蛍光抗体法によりエーリキア4種Anaplasma phagocytophilum, Ehrlichia chaffeensis, Ehrlichia canis, Neorickettsia ristici,およびリケッチア1種Rickettsia japonicaに対する抗体の保有状況を調査したところ,牛23頭(15.8%),山羊6頭(4.5%),羊29頭(21.6%),ロバ1頭(1.1%)が,いずれかのエーリキアと抗体価20倍以上で反応を示した。アルタイ,カシュガル,イリの3地区の家畜について,バベシア感染状況についてELISA法を用いて血清学的に検討した。イリおよびカシュガル地区のロバの9.6%(9/93),38.7%(36/93)がB.equi, B.caballiにそれぞれ陽性を示し,2.2%(2/93)が両原虫に陽性であった。またR.japonicaに対しては牛9頭(6.2%),山羊15頭(11.3%),羊8頭(6.0%),馬3頭(3.5%),ロバ1頭(1.1%)が抗体価20倍以上で反応した。以上から,各種病原リケッチアならびに原虫が新彊ウイグル自治区の家畜に感染していることが示唆された。 また,本研究では地Neospora caninum, B.caballi, B.equi, B.gibsoni and B.bovisなどの家畜原虫性疾患を診断する上で特異的な候補抗原を探索・評価するとともに,それらの組換え抗原を用いたELISA法や免役イムノクロマト法などの血清診断法を開発した。
|