研究課題/領域番号 |
15405044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高田 秀重 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (70187970)
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研究分担者 |
渡邉 泉 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (30302912)
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (30292890)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 多環芳香族炭化水素 / 石油汚染 / Bioaccessibility / 模擬消化管液 / 熱帯アジア / Hopane / Benzothiazole / 重金属 / PAHs / 疑似消化管液 / ホパン / 石油 / 微量元素 / 生物利用性 / 東南アジア / 石油起源 / エンジンオイル / Bioavailability / 模擬消化液 / 水銀 / カドミウム |
研究概要 |
自動車が一つの起源と考えられる発ガン物質:多環芳香族炭化水素類(PAHs)に焦点を当てた。熱帯アジア(タイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドネシア)の都市ではPAHsの起源推定指標MP/P比が2以上を示し、石油起源PAHsの流入源が広く存在することが明らかになった。これは先進工業化国では燃焼起源PAHsが主な起源であることと対照的かつ新しい知見である。さらに模擬消化管液を利用しPAHsのbioaccessibilityを調べた結果、MP/P比が高かったマレーシアの堆積物のbioaccessibilityが高く、熱帯アジアの堆積物中のPAHsが生物に取り込まれやすいことが示唆された。この点はマレーシアで採取した二枚貝中のPAHs濃度が東京湾の二枚貝よりも高濃度であったことと調和的である。 石油起源PAHsの具体的な起源を、組成の統計解析、マーカー物質(ベンゾチアゾール類とホパン)と重金属の分析結果との比較により推定した。その結果、熱帯アジアの石油起源PAHsが主に自動車に由来し、路上粉塵を主要な輸送媒体として流入していることが明らかになった。自動車由来の詳細な起源として、エンジンオイル、タイヤ、ディーゼル排ガス粒子、アスファルトの寄与が示された。 熱帯アジア堆積物中のPAHs濃度(6-265000ng/g(n=143))は先進工業化国よりも1桁から2桁低いが、それは豪雨により供給される大量の土砂による希釈のための見かけの低さであり、熱帯アジアのPAHsが石油起源で生物へ取り込まれ易いために、堆積物中の濃度は低くても生物には先進工業化国と同等かそれ以上のPAHsが蓄積していることが明らかになった。詳細な起源特定とそれに基づく熱帯アジア水域への自動車由来汚染物質の流入の制御が今後の緊急な課題であることが本研究から明らかになった。
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